センター試験を終えた私は大きな方向の転換を余儀なくされた。
センターで9割以上をゲットして地元の国公立を逃げ切り合格、という青写真がとても望めそうにない点数であった。センタープレでは9割にあともう一歩、というところまで点数を伸ばしていたのだが、やはり付け焼刃だけのことはあり、本番の緊張感で化けの皮が剥がされてしまった。
特に痛かったのが懐刀である国語。
過去複数回センター試験を受けているわけだが、一度たりとも9割を切ったことが無かった。それが今回、人生の大一番であろうことか160点にも届かないという無残な結果に。
そしてさらにマズかったのが生物。
最終的にセンター試験までに全範囲を一巡することができず無念の8割台・・・。現役時代のまま物理で望んでりゃおそらく100点近く取れてただろうに、受かってからのことを考えて色気を出してしまったばっかりに・・・。
それでも地元の大学さえ諦めればまだチャレンジは許されるラインであったため、傾斜配点を利用して少しでも有利に戦えそうな大学の願書を何校か請求した。
願書締め切り間際まで散々迷った挙句、ネットでの評判(もちろん2ちゃんねる)や入試問題の傾向から最終的に長崎大学をチョイス。
コレさえ出してしまえばあとは迷わず赤本を解きまくるだけ、という清々しい気持ちでボールペンを舐めナメ願書の作成を開始した。しかし”書き損じなければ受かる”なんて言いながら鼻歌まじりにペンを走らせていた私の手が、あるところでピタリと止まった。
えーっと・・・あのー・・・
無いんですけど
社会の選択欄に「倫理」という項目が無いんですけど!?
一瞬頭が真っ白になった。
落ち着け!きっとプリントミスだ、そうに違いない
必死になって自分に言い聞かせるも、頭の片隅に遥か昔、まだフレッシュな受験生だった頃の古い記憶が甦りつつあった。
・・・そういえば倫理で受けれない大学って・・・ありましたね・・・(汗)
やってしまった・・・。
受験に関する記憶が完全に消え失せていたにも関わらず、新たにその知識のほぼすべてを2ちゃんねる掲示板から収集していたオレのミスだ。完敗だ。
この失態はもう取り返せない・・・今から願書を取り寄せても提出期限にはとても間に合わない・・・まさかこんなことで足元をすくわれるとは・・・無念。。。
しかしハイソウデスカと簡単に引き下がるわけにはいかなかった。もう人生あとが無いんですもの。
幸いにも願書は長崎大学だけでなくその他数校から取り寄せていた。
血走る眼で選択肢に倫理があり、かつこのセンターの点数でも合格の可能性がある大学を探すと・・・
あった!ありました!!〇✖大学!!!
そうと決まればもう迷いはなかった。
二次試験もなんかオレ好みの傾向だし土地柄も良さそうだし飯は旨そうだしレジャーは豊富そうだし・・・
最高やんけ〇✖県!待ってろよ〇✖大学!!(ほな始めから〇✖大学選べよ)
得意技である防衛機制シリーズ<合理化>をフル稼働させて自分の心にハナから〇✖大学志望であったかのような暗示をかけると、今度こそもうただひたすら赤本を解きまくるだけ。
プレッシャーに滅法弱いこのオレが後期試験までもつれ込んでは分が悪い、何としても前期で決めるんだ前期で前期で前期で・・・・・ その7へ続く