独身時代は鍋ばかり食べていた。
冬だけではない。
春夏秋、年がら年中鍋・なべ・ナベ。
手軽に野菜を摂れるし一度作れば何回も食べれるし安いし旨いし。
もはや欠点を見つけることなど不可能な神のレシピなのである。
私にとっての鍋は。
ほんとにもういろんな種類の鍋を作ってきたのだ。
だから当然、我が家においてはこの父こそが鍋奉行である。
お奉行様である。
何を隠そうパンダ組の甘えん坊将軍とは私のことなのだ。
しかし最近になってこの将軍様がその存在すら知らなかった、知る人ぞ知る絶品鍋があるという情報を入手してしまったのだ。
ローカルなご当地鍋ならいざ知らず、知ってる人なら知ってるレベルの絶品鍋をこの将軍様がとりこぼしていたとは・・・・・
どうやらヤキが回ったようだ。
これっきり甘えん坊将軍の名は返上して、明日から普通の中年に戻るとしよう。
それはさておき、早速その絶品鍋とやらを作ってみることにしたのだ。
御存知の方はおられるだろうか。
「ピェンロー鍋」
あの妹尾河童が著書「河童のスケッチブック」の中で紹介したという鍋。
妹尾河童・・・・「少年H」しか知らんけど。
作り方は至って簡単。
干しシイタケの戻し汁に白菜と豚バラと鶏肉と緑豆春雨を入れて大量のごま油を振りかけるだけ。
鍋には味を一切付けず、各自小皿に取り分けてから塩と一味唐辛子だけで好みの味にする。
以上。
・・・・・これが絶品鍋?
やや見下し気味に半信半疑で色々調べてみると、確かに評価が高い。
一度食べたら病みつきになって何度も作ってしまうようだ。
シンプルで素材の味がダイレクトに伝わるのが良いのかもしれない。
さて、至って簡単で旨いと評判のピェンロー鍋であるが、作る時に一つだけ重要なポイントがあるという。
どうせ作るなら少しでも栄養価を考えて色々放り込んでしまいたくなるのが親ゴコロである。
しかしことピェンロー鍋に関しては、妹尾河童さんのレシピを忠実に守り、一切のアレンジを加えないことが成功の秘訣だというのだ。
具体的にはニンジンやホウレンソウなど、レシピに書かれていない野菜を入れてはいけない。肉も然り。鍋に味をつけてはいけない。出汁は乾燥シイタケだけ(昆布を入れてる人はチラホラいるらしいが)。
この鍋はこれが完成形であり最終形であるからして、そこから足したり引いたりする行為は鍋の味を損なうのみと心得よってことらしい。
ということでネットで色々調べながら作ってみた。
おそらく妹尾河童式を忠実に再現しているはずだ。
作ってみようと思われる人がいるかもしれないので簡単に作り方を。
※河童さんの本を読んだわけではなくネットで集めた情報です。厳密に作りたい方は原本を読んでください。
材料(多分4人分くらい)
・白菜(一玉くらい)
・干しシイタケ(水1500mlに50gくらい)
・豚バラ肉(500gくらい)
・鶏もも肉(500gくらい)
・緑豆春雨(適当)
・ごま油(お玉一杯分て書いてるけど適当)
・塩(適当)
・一味または七味唐辛子 (大量)
作り方
前日に干しシイタケを戻しておく。その際出汁は多めにとっておくほうがよい(春雨を入れると出汁が減る and 雑炊の時に追加する用に)。
白菜の芯の部分を細目に切り、戻したシイタケの細切りと共に出汁に入れて火をかける。沸騰したら豚肉と鶏肉を入れ、お玉半分のごま油を振りかける。
灰汁を取りながら煮込み、白菜の芯が柔らかくなってきたら上に蓋をするように残りの白菜を乗せる。そこから30分くらい煮込んでクタクタにする。
最後に春雨を入れて残りのごま油をたっぷりとふりかければ出来上がり。
ちなみに春雨は水を吸うので予め戻しておいたものを用いた。
こう見るとウチの土鍋年季入りすぎだろ・・・
さて、煮込みの時間を含めても作り始めてから一時間程度で完成。
基本的には材料を切るだけの手間いらず。
干しシイタケはモノによって値が張るものも多いが、それ以外は比較的リーズナブルな材料ばかり。
これで絶品なら最高じゃない??
それでは五人そろっていざ実食。
ドキドキの感想は・・・・・
ここまでにしておきましょう。
気になられた方は是非、ご自分の舌で確認してみて下さい。