とあるショッピングモールでの出来事。
嫁さんと離れて子供服売り場を無駄に歩き回っていた時のこと。
ちょうどその日はワゴンセールみたいな感じで子供用のパンツが大売出し中であった。
いくら子供用とはいえパンツにはあまり近づきたくない
そう思ってワゴンから少し離れて歩いていたところ、ピンクと白を基調にしたフリッフリの服に身を固めた中年のおっさんが凄い勢いでワゴンに突進してくるのが見えた。
今で例えるなら、娘たちが嬉々として見てるアニメで言うところのプリキュア。
その中でもキュア・エールが着てるようなピンクと白のフリフリ。
もちろんミニスカートに白のニーハイ。
カチューシャをつけてポーチまでぶら下げて。
室内なのに無駄に日傘さして。
頭の片隅で警鐘が鳴った。
振り向くな!!
行け!!!
だけど私の視線はもうキュア・オヤジに釘付け。
顔をまじまじと眺める。
遠目にも無駄に整った顔。
年は感じるが目が大きくて鼻筋が通っている。
だけどどこから見ても立派な中年男性で間違いない。
無駄に濃いヒゲ。
キッチリと剃ってるけど時は夕刻。顔の下半分が真っ青になっている。
さらに体型。
どちらかというとやせ型だが無駄に筋肉質。
胸のボタンが弾けそうなくらいパッツンパッツン。
そして白いニーハイから透けて見える無駄に引き締まったヒラメ筋。
ワゴンのなかに顔を突っ込みそうな勢いでつま先立ちしてパンツを物色するたびに、ヒラメ筋がプリプリの尻のように割れる。
お目当てのパンツを見つけるとすぐさまレジに向かうキュア・アオヒゲ。
そのレジまでの移動がまた無駄に速い。
スカートをひるがえして競歩みたいに歩く。
さりげなく見えそうになるパンツを無駄にかばってるところがなんとなくイラつく。
何も言わなくても周りの人がサササッと道をあけるからさらに移動速度が速くなる。
さながら海を割って進むモーゼみたい。
レジでポーチからフリフリの財布を取り出してお金を払うキュア・モーゼ。
このときようやく彼女(彼?)の顔がハッキリと見えた。
無駄に整ってる・・・・・
レジ係の店員はさすが、しっかりと教育されていた。
眉一つ動かさずに真面目な顔で代金を受け取り、代わりにパンツの入った袋を手渡す。
それを当然のように受け取ったキュア・モーゼはつむじ風のようにその場から消え去っていった。
別に個人の趣味なんだからこちらがとやかく言うことではない。
だけど一つだけ無駄に気になって仕方がなかったのだ。
無駄に喉ボトケがデカい
あの喉ボトケだけは彼女(彼?)にとってほんと無駄。
こいつだけは是が非でもキュアしといて欲しかった・・・
キュア・ノドボトケの去っていった方をボーっと眺めていると嫁さんが戻ってきた。
すっごいイイもん見れた気がしたけど、嫁さんが無駄に間に合わなくて良かったなーって心から思った。
実はこれ、かなり昔の話。
それが突然、昨日の夜中に夢の中でフラッシュバックしてきたのだ。
あまりのインパクトに2時ごろ目が覚めて5時ごろまで眠れなくなってしまった。
無駄に過ぎた3時間を心の底から返してほしい。
だけどなぜ今頃無駄に彼女(彼?)が僕の中に返り咲いたのか、皆目見当もつかない。
人の脳ミソって無駄が多過ぎてステキ♡