パンダ組の日常

~だんご三兄妹をめぐるカオスな日常~

ある日の幼稚園にて

5月に入ってからというもの、この春入園した次女の幼稚園イヤイヤが激しい。

4月は年長組の長女と手をつないで楽しそうに登園してたのに。

おそらく緊張の糸が徐々にほぐれてきたのだろう。

 

 

この前嫁さんが集団登園の集合場所である公園まで子供達を送り届けに行ったところ、公園に到着する少し前から「幼稚園行きたくない!」と泣き叫び始めたという。

結局引率の先生が連れていけるような状態ではなく、嫁さんが最後まで同行して担任の先生に直接バトンタッチしたらしい。

 

 

さて、先日は父が出勤前に娘たちを直接幼稚園まで送り届ける日であった。

嫁さんから前もって情報を入手していたため、次女が突然車内で「幼稚園行かない!!」とぐずり始めたのは想定の範囲内

 

園に到着すると踏ん張って車から出ようとしない次女を強引に引きずり降ろし、長女の手を引きながらもう片方の手で次女を担ぎ上げて門をくぐる。

 

仕事の都合上、まだ幼稚園は始業前の時間帯。

当然園児もまばらである。

 

早出の先生に挨拶を済ませて荷物を教室に置いたら、あとは始業時間まで園庭で遊ぶだけ。

 

いつもなら長女と手をつないで外に飛び出し、父が門を出るまで二人そろって手を振ってくれる次女だが、その日は泣きながら父のズボンの裾を握って離さない。

 

 

さすがにこのまま置いて帰るのは気が引ける・・・・

 

 

私とて仕事に遅れるわけにはいかないのだが、腕時計を見るとあと5分くらいならなんとかなりそうだ。

 

ひとまず泣きじゃくる次女を抱き上げて、人気のない校舎の片隅に連れて行く。

後ろから長女が心配そうについて来る。

 

校舎の隅っこに腰を下ろし、次女を膝の上に座らせて長女と一緒に話を聞く。

 

「幼稚園の何がイヤなん?この前まであんなに楽しそうやったのに」

「お姉ちゃんも一緒にいてくれるやん」

「ほら、園庭で遊ぼってさ」

「あ、ミーちゃん(友だち)も来たで?行っておいでや!」

 

 

何を言っても泣いて首を振るばかり。

 

 

「幼稚園イヤや・・・・だってさみしいもん・・・・」

 

 

 

そういや今年小学校に上がった長男も一度だけ酷くグズったことがあったなぁ・・・

 

 

三年前、同じく年少組だった長男が珍しく泣き叫んで幼稚園を拒絶したことをふと思い出した。

 

あの時はつらかった。

もの凄く寒い日で、ちょうど今座ってる場所で長男の「いかに幼稚園がイヤか」を延々聞かされたっけな。

寒さによる震えと嗚咽で痙攣みたいにガクガクしながら「帰りたい」を連発する長男。

その時はもう遅刻覚悟で最後まで付き合ってやろうと腹をくくった。

 

結局、ちゃんと頑張ったらジュウオウジャーのキューブオクトパスを買ってやるってことで解決したんだっけな。

 

200円前後の食玩ですんなり釣られた長男。

 

 

幼いなりに自分の気持ちを抑えて無理矢理納得したこと、父はちゃーんとわかってるからな

 

 

ちなみに長女は泣き叫ぶというより俯いて耐え忍ぶタイプ。

 

程度の差こそあれ、みんな必ず通る道なのだ。

 

 

 

さて、なだめても脅してもプリキュアで釣っても断固拒否の次女。

そろそろ時間が限界だ。

三年前とは違って今の職場は遅刻に滅法厳しいのだ。

 

断腸の思いで園庭に出ると、雰囲気を察した先生がサッと次女を連れて行く。

どうすればいいかわからない長女は困ったような顔で父に手を振るとすぐに次女を追いかける。

 

 

こういう別れ方になってしまった日は一日中気が重いものだ。

 

 

ま、仕方が無い。

時間内に次女を納得させることができなかった自分のスキル不足。

ここから先できることと言ったらもう、邪魔にならないよう一刻も早くその場を立ち去ること。

それしかない。

 

 

 

そそくさと校門を出て駐車場に戻る直前、未練がましくチラリと園庭を振り返る。

 

 

 

すると、そこには・・・・・

 

 

 

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 泣きじゃくる次女(右)。

 

その横にピッタリと寄り添って次女の言葉を傾聴する長女。 

 

 

思わず胸がグッとなる光景・・・・・

 

 

 

時間が無いのも忘れて携帯のカメラを構える父。

 

 

 

長女・・・・・オマエ頼もしくなったなぁ

 

 

あんだけお兄ちゃんに頼りきりだったのに・・・・

 

 

団子三兄妹でけっこうしんどかったけど・・・・・

 

 

こんなん見せてもらえるなんて・・・・・兄妹ってやっぱいいわぁ

 

 

 

変質者みたいに校門の陰から写真を撮りまくる父。

 

 

 

 

長女のおかげで一旦落ちかけた気持ちが急上昇。

その日は気持ちよく仕事ができましたとさ・・・・・・おしまい。