今、私の心はあの青いお空のように澄み渡っている
あゝ視界良好
やはり人間は認めるべきものを認め、受け入れるべきものを受け入れなければならない
あるがままの自分を真正面から受けとめようではないか
というわけでついに私、眼鏡デビューを果たしました
・・・老眼鏡
・・・・・老眼鏡
・・・・・・・・・・・_| ̄|(ン、)
いやもうね、随分と前からスマホの文字が見えにくいな~って思ってたんですよ
特に夕方とか、薄暗い場所とか
だけどそこは気合でね、カッと刮目してやったらなんとかピントの方からすり寄ってきてくれてたんです
この歳で老眼なわけがない、オレは老眼なんて断じて認めんぞっていう気概ね
やっぱ最後は気力だなって思うんです
あとは40年間ずっと視力1.5以上をキープしてるっていうプライドね
だけど近頃はもう四六時中カッと目を見開きっぱなしでね
それでもピントは合わないっていう哀しい現実ね
スマホを睨む顔つきだけがどんどん劇画タッチになってくっていうね
さらに間の悪いことに、もうすぐ試験を受けなければいけないんです
8時間くらいの超長丁場
ただでさえ全然勉強できてないのに、さらにこの見えづらい目で8時間・・・
ダメだ、あまりに無謀だ
竹内力也相手に左手一本で立ち向かうようなもんだ
そう気づいたクレバーな私は、プライドを捨てて老眼鏡を購入することに決めたんです
ていうかそもそも老眼鏡というネーミングがすでにダメダメだ
この糞ダサいネーミングが潜在的な顧客を遠ざけているという事実に眼鏡業界は今すぐ気付いた方がいい
もっと他に言い方があるだろうによ
アンチエイジンググラスとかナイスミドルスペクタクルズとかさ
いやもちろんオレのネーミングセンスも結構アレだけどさ
とにかくだ
眼鏡業界にはさらなる営業努力を強く要求する!!
そんなクレームじみたことをウダウダ考えながら家族そろって眼鏡屋に行ったんです
結構恥ずかしかったんですけど、行ったら行ったでシャレオツな眼鏡がズラッと並んでて一気にテンションが跳ね上がりました
嫁や子供たちに尋ねます
「ねーねーこれどう?似合う?ほんじゃこっちは??うーんちょっと若すぎ?若杉千夏???」
テンションが上がりきってもう完全にウザい中年です
本来はこんな中年にこそ老眼鏡がお似合いなんです
というわけでついに買っちゃいました
わりかし若く見えるし、オレッて意外と眼鏡似合うじゃん
当日仕上がりなので少し待ってそのままブツを受け取り、帰って早速鏡の前でつけてみました
白髪混じりのケント・デリカットみたいな男が立ってました
眼鏡屋さんの眼鏡はデモ用の度なしレンズ、実際には度が入っているのでデリカットになるってことをすっかり忘れてました
必要以上にパッチリお目めの自分を見て、
「おー、なんか老眼鏡っぽい」
と思わず納得してしまいました
眼鏡をつけたまま嫁さんの顔をまじまじと見つめました
毛穴がくっきりと見えました
手元のスマホを見てみました
二本指でピンチアウトしなくても原寸大のまま字が読めました
嗚呼、視界良好ナリ
もし迷われてる方がおられましたら是非お早めに
きっと世界が変わりますよ