前回のブログで今、私がストレスでいっぱいだという話をした。
今日はその理由について書いてみようと思う。
悲壮感漂う雰囲気が苦手な方はここでお引き取り頂く方が賢明かもしれない。
実は病気が発覚したのだ。
本当のことを言うと数年前からうすうす気づいていたのだが。
体調もなんか優れなかったし。
だけど見て見ぬふりをしてきた。
そして今、もう誤魔化しのきかないところまできてしまった。
だから現実を受け止めて戦うことにしたのだ。
高血圧
今「なんだ、ただの高血圧かよ」って思った人に言いたい。
高血圧舐めるな・・・死ぬるぞ?
先ほども自宅の血圧計で測定してみた。
何度か測った結果、最終的に以下の数値。
129/86mmHg
今「なんだ正常かよ」って思った人に言いたい。
拡張期高血圧舐めるな・・・死ぬるぞ?
ま、実際にはもっと高い。
1回目測るときは緊張するから数値も跳ね上がってる。
148/98mmHgとか。
そして2回目の測定以降、収縮期血圧(高い方の数字)はスルスルと下がって120~130台に。
だけど拡張期血圧(低い方の数字)は90前後までしか下がらないのだ。
だから診断名は「拡張期高血圧」。
下の血圧だけが高い病態だ。
けど実際のところ拡張期高血圧って一体何なのよ?ってずっと思ってた。
上の血圧が高いから高血圧ってのはわかるけど、下の血圧も高い、なんなら下の血圧だけが高いってのは一体どういうことよ?って。
ま、自分医者なんだけどね。
医者だから体のこと何でも知ってると思うのはやめて頂きたい。
しかし知らないことはできるだけ少ない方がいい。
だから真剣に調べてみた。
そして自分なりに「拡張期高血圧」を解釈した。
だから今、この知識を誰かと共有したくてウズウズしてる。
大筋は合ってると思うけど、間違ったことを言ってる可能性もあるので信じるか信じないかは自己責任で。
そして高血圧にあんまり興味が無いお方。
ここから無駄に長文になるので早いとこスター5個くらいつけて避難されることをお勧めします。
血圧は2つの数字で表記される。
大きい方の数字は収縮期血圧。
心臓が収縮して血管内の圧力が最大になった時の数値。
小さい方の数字は拡張期血圧。
心臓が拡張して血管内の圧力が最小になった時の数値。
例えるならこうだ。
ある程度膨らませた風船を口でくわえた状態のまま、鼻をつまんで息を出し入れしている状況を想像してほしい。
肺の中の空気を目一杯吹き込むと、風船はさらに膨らんでパンパンになる。
この時の風船内の圧力が収縮期血圧に相当する。
逆に吹き込むのをやめて力を緩めると、今度は空気が肺に押し戻されると同時に風船は少し縮んで柔らかくなる。
かといって、風船が膨らんでいる限り中の圧力は決してゼロにはならない。
これが拡張期血圧。
ちなみに高血圧の基準は収縮期血圧140mmHgまたは拡張期血圧90mmHg以上。
だけど実際には収縮期血圧130mmHg台、拡張期血圧80mmHg台はグレーゾーンであり、ほぼ高血圧と認識すべきである。
一般的に、「高血圧」と言えば収縮期血圧が高い状態を想起される方が多いはず。
患者さんでも上の値しか覚えていない人が多い。
しかし実際には拡張期血圧が高くても立派な高血圧なのだ。
だって考えてもみてほしい。
拡張期血圧は血管内の圧力が最も低くなった時の数値だ。
最も低いはずの数値が高いということは、血管が常に高い圧力にさらされていることを意味する。
血管が休まる暇がないということだ。
そんなの体に悪いに決まっている。
だから一言に「高血圧」といっても、収縮期血圧だけが高いタイプ、両方高いタイプ、そして拡張期血圧だけが高いタイプの三通りが考えられるわけだ。
では収縮期血圧はどういう時に高くなるのか。
これは簡単な話で、加齢と共に血管がカチカチになる、いわゆる「動脈硬化」が本態。
しなやかなゴムホースにポンプで水を流すのと、同じ径のカチカチの鉛管に同量の水を流すのと、どちらの方が圧が高くなりますか?という話だ。
直感的に鉛管の方が圧が高くなりそうだとわかるはず。
つまり、収縮期高血圧はポンプ(心臓)から送り込まれる血液を受け取る管(血管)の伸展性の問題と捉えることができる。
加齢と共に血管は柔軟性を失うわけだから、歳を重ねるごとに大なり小なり収縮期血圧は上昇していくのが普通だ。
対して拡張期高血圧。
こいつの解釈が中々に難しい。
拡張期血圧だけが高くなるという病態を理解するには少々基礎知識が必要になる。
心臓から送り出された血液は動脈→毛細血管→静脈と流れて再び心臓に帰ってくる。
その中で動脈の圧を計測したもの、これがいわゆる「血圧」である。
そして収縮期血圧が心臓というポンプから送り出された血液を受け取る管、すなわち動脈の柔軟性に左右されることは前述の通り。
さて、それでは拡張期血圧とは何か。
これは心臓という名のポンプが止まっているときの圧力である。
心臓から大量の血液が動脈に送られると、それらは毛細血管を介して静脈側に流れようとする。
しかし血液は動脈から毛細血管へとすんなり移行できるわけではない。
動脈は先に進むほど細くなっているため、そこを通過する血液はどうしても停滞気味になる。
このように末端の血管が細いため血液が通りにくいこと、これを末梢血管抵抗と呼ぶ。
心臓から一気に血液が送り込まれてきても、この末梢血管抵抗のために血液の一部は動脈内に停滞する。
その際、動脈は壁を進展させることで(膨らむことで)大量の血液を一旦プールするのだ。
そして心臓が拡張期に入った瞬間、今度は膨らんだ管が元に戻る力を使って血液を末梢に送り届けるというわけだ。
この元に戻る力、これが拡張期血圧の正体である。
そして拡張期血圧を作り出すもう一つの要素、それが末梢血管抵抗そのものなのだ。
簡単に例えるとこういうことになる。
蛇口につないだホースで水撒きしているとする。
蛇口をひねるとホースの出口から水が勢いよく飛び出す。
しかし少し離れた木の根元までは届かない、だけどホースはこれ以上伸びない。
そんな時どうするか。
蛇口をもっとひねって流す水の量を増やすのも一つだ。
そしてもう一つ、ホースの先を指でつまんでしまえば良い。
そしたら細くなった出口から水が遠くへと勢いよく飛び出すことを私たちは経験的に知っている。
この指で出口を塞ぐ行為、これこそが末梢血管抵抗という概念そのものなのだ。
ホースがしなやかで弾性に富んでいる場合、指で出口をつまむとホース内の圧力が高くなってホースがパンパンに膨らむ。
その状態で急に蛇口を閉めるとどうなるか。
おそらくはホースが元の状態に戻るまでの間、先から水が勢いよく飛び続けるはずだ。
これが拡張期血圧の正体。
管の弾性と出口の抵抗がポイントになる。
さて、ここまでくればもう拡張期高血圧の病態を理解したようなもの。
要点としては
・血管に弾力があること(まだ動脈硬化に至っていない、比較的若い血管)
・体液量が多いこと(動脈内に血液がたっぷりの状態)
・末梢血管抵抗が高いこと(出口を思いっきり握った状態)
この三つが揃えば晴れて拡張期高血圧の完成だ。
実際、拡張期高血圧は高齢者ではあまり見られず、動脈硬化に至っていない中年(我らアラフォー)によくみられる病態である。
この状態を放置していればいずれ血管が痛んで動脈硬化が進み、行く行くはお手本のような収縮期高血圧へと移行していくのだ(その際、動脈は硬くなるので拡張期血圧は下がっていく)。
ということで私はこの拡張期高血圧とやらに戦いを挑む決意をしたのだ。
この歳から死ぬまで薬を飲み続けるなんてイヤなんだ。
血管が柔らかいうちに健康な体を取り戻してやるんだ。
それでは具体的に何をすべきか。
上を見ればわかるように、体液量を減らすと同時に血管抵抗を下げてやればよい。
体液量とはすなわち塩分。
塩のあるところに水が集まる、これ常識。
そこで塩分制限を始めた。
職場の味噌汁は飲まない、スナック菓子はなるべく食べない、調味料も減らして香辛料で誤魔化す。
血管抵抗は様々な因子で上昇する。
肥満、寝不足、ストレス、運動不足、大量飲酒、喫煙・・・・・などなど。
だから手っ取り早くダイエットを始めた。
ランニングの回数を増やして夕食の炭水化物を減らす。
そしてひとまず5㎏減量を目指す(2ヵ月で)。
それでもダメなら最後の手段・・・平日の飲酒をやめる(つもり)。
そこまでしてダメなら・・・・潔く薬飲みます。
ということで現在、空腹と戦う毎日だ。
腹が減ったらノド飴をしゃぶって気持ちを紛らわせている。
日中頭の中をウーピーゴールドバーグとキューピーコーワゴールドが占拠する理由、お分かり頂けただろうか?
最後まで読んでいただいた中年の皆さま。
次回血圧を測る機会がございましたら、是非とも拡張期血圧にご注目を。
80台なら黄色信号でっせ・・・・・・。。