夏が逝ってしまった・・・・
明日からまた日常が始まるという受け入れ難い事実を今、体が全力でリジェクトしている
胃が痛い
軽く吐き気がする
食欲が無い
なんか全身筋肉痛
夏休み明けに登校を拒絶する子供達の気持ちが痛いほどよくわかる
今ならそんな彼らと真正面から向き合える自信がある
あぁ仕事やめてぇ
仕方が無いから夏休みの家族旅行でも纏めて気持ちを紛らわそう
それがいい・・・・
そうしよう・・・・
つい3か月ほど前に嫁さんの実家へ帰省したところだが、諸々の事情により夏の家族旅行も嫁さん宅に決定
なんつっても帰省旅行は財布に優しいからな
今回は飛行機じゃなくて車で移動
だけど車での往復はあまりにしんどいため、行きはフェリー、帰りは高速道路を飛ばしながら途中一泊して帰宅する計画だ
初日
いつもの如く仕事を終えて家族と合流
出港の時間が迫っており、急いで港を目指す
高速道路が空いていたため比較的余裕をもってフェリー乗り場に到着
無事船に乗り込むと、甲板から街に手を振ってお別れ
船室のベッドでお気に入りの本を読みながらリラックスモードの子供達
ある程度くつろいだあとは明日からに備えて早めに就寝
今回は珍しく凪のように穏やかな航海
乗り物に弱い父も快適に熟睡することができた
早朝、甲板から太平洋を望む
午前9時、無事九州に上陸
今回は寄り道せずに一路嫁さん宅を目指す
3か月ぶりに嫁さんの実家に到着
お義母さんと従兄妹達が迎えてくれる
なんせ前回から3か月しか経っていないため、皆あまり変わっていない
お久しぶり感も控え目
早速長男@7歳が庭を散策し、コクワガタの死骸を見つける
さすがはクソ田舎桃源郷
この調子でオオクワガタ10匹くらい捕って帰っちゃおーか
軽口を叩くも、以後一切大物は現れず
昼時にウチの子三人と従兄妹二人、計五人の子供達を連れて近所のうどん屋へ
これを見てるとあと二人くらい子供作ってもなんとかなるんじゃねーかと錯覚してしまう自分が怖い・・・
田舎というだけでうどんも蕎麦も格別に旨く感じるのはなぜだろうか・・・
ちなみにこの店はサラダが食べ放題
前回来た時は大量のオクラが大皿に山盛りになってて感動したものだ
旅行=便秘の父には限りなく有難いシステムだ
昼飯の後は家に戻ってダラダラ過ごす
いくら熟睡できたとはいえ、船で一夜を過ごした翌日は何となく頭がスッキリしない
適当に昼寝をまじえながら夜のビッグイベントを待つ
そう、BBQ
これを楽しみに帰省していると言っても過言ではない
夕方5時ごろ、そろそろ出番とばかりに火起こしを始める父
帰省の度にBBQの火起こし当番を買って出ていただけのことはあり、今では達人の域に達している
炭の色を見ただけで今およそ何℃くらいなのかうっすらとわかる気がしないでもない
いい感じに炭が赤みを帯びてきた頃、仕事帰りの義兄夫婦が合流
みんな揃ったところで本格的に焼きの作業に入る
ちなみに火をつけるのは私の役目であるが、モノを焼くのは基本的に義兄の役目
せっかちな私は肉を一気に焼き過ぎるんだとか
BBQなんだからみんなを待たせないように次々焼いてけ~!というのが私流なのだが、どうやらそれは邪道らしい
几帳面に、区画ごとに整然と種分けして丁寧に焼きを入れる義兄
カメラを撮りながらスキあらば大量の肉をブチ込んでやろうと目を光らせる父
水面下でのせめぎ合いが続く
すべて地産の牛肉、地鶏、豚の三枚肉、特大オクラ、厚揚げなどなどなど、焼きに焼いてたらふく食べたらBBQ終了
翌日に備えて早めに就寝
二日目
朝っぱらから興奮した長男がもぞもぞと動き始める
なんとかナダメすかせて七時まで布団で粘る
朝食を終えてしばらくダラダラ過ごしていると、同じ敷地内の別棟に住む従兄妹達が合流
義兄夫妻はお仕事へ
子供たちのたっての希望もあり、かなり不安ではあるが大人2人で5人のガキどもを近くのプールにつれて行くことに
家から車で10分以内にあるさびれたテーマパーク?に到着
さすがクソ田舎桃源郷だけのことはあり、プールの水に湧水を使っているためいわば源泉かけ流し状態
清潔感があってとても気持ち良いのだが、水が無茶苦茶冷たい
四十肩で思うように手が上がらない父とカナヅチの嫁
この頼りない二人でちょこまか動き回る五人をフォローせねばならない
ほぼミッションインポッシブル・・・・
と思いきや、プールは幼児用の水深50cm程度のものと小学生用の水深1mの2種類だけ
しかもそんなに広くない
これならイケそう、さすがは桃源郷
最初は水を怖がっていた長女@5歳・次女@3歳も、しばらくすると親の手を放して自分達だけで水に入れるようになった
すごい進歩だ
この湧水プールには唯一の目玉、ウォータースライダーがある
ホントに申し訳程度のものだが
これは常時開放ではなく、1時間ごとに休憩を挟んで稼働する
そのウォータースライダーが解放されるや否や、当然滑りたがる長男と従兄
大人も付き添った方が良さそうだ、ということで父が子供二人と同伴することに
ほんじゃ残りの子達を頼んだ
嫁さんにアイコンタクトしてその場を離れた次の瞬間、大人たちの一瞬のスキをついて次女が密やかに1mプールに入水
隣で一部始終を見ていた長女の絶叫により、ほんの数秒ですぐに気づいて水から引っ張り上げたので大事には至らなかったが、これでまた完全にビビってしまった次女
せっかく水に慣れたところだったのにまた振り出しだ・・・
ま、最終的に大事には至らなかったのでヨシとしよう
そしてグッジョブ☆長女
スライダーを滑り降りる長男
赤い服の兄ちゃんが水中から引っ張り上げてくれるシステム
あまりの水の冷たさに皆の唇が見事なチアノーゼを呈してきたため 、プール遊びは昼までで終了
家に戻ってスパゲティを食す
その後は昼寝をしたりDVDを鑑賞したり
夕方涼しくなった頃、近くの納骨堂公園までブラブラと散策
この公園のジャングルジムのてっぺんから眺める景色が父のお気に入りだ
何の変哲もない田舎の風景が妙に郷愁を誘う
都会では味わえない贅沢というかなんというか
一通り散策を終えて家に戻ると早速BBQの火起こし
何度も言うがこれだけは父の仕事なのだ
もうこれしかないのだ、私には
マンネリを防ぐためにアヒージョなんかも作りながら贅沢なBBQを堪能した後は、夏の名残を惜しんで花火大会
一通りド派手な花火を楽しんで、最後は線香花火で〆る
息子よ、儚い光に何を見る?
三日目
皆に別れを告げ、朝9時前に嫁さん宅を出発
夕方までほぼノンストップで車を飛ばして一気に広島県へ
子供達の疲労もピークであり、三日目は広島で一泊
宮島の向かいの安芸グランドホテルに宿泊
下の写真ではわかりにくいが、タイル部分は海に見立てて水が張られている
嫁さんがチェックインの手続きをしている間、父は子供達と荷物の番をしながら館内施設案内に目を通す
さて、今晩はどこで呑もうかな・・・・・
バーやラウンジがないか案内板をボーっと眺めていたところ、突如長男の絶叫が響き渡る
お父さん、次女が落ちた!!!
一瞬昨日のプール入水事件が頭をよぎる
てかここホテルのロビーよ?どこに落ちんのよ?
急いで駆けつけると・・・・・
先ほどのジオラマの海(タイル部分)で匍匐前進するようにもがく次女の姿
どうやら画面下に見切れているレンガ部分を歩いていて海側に落ちたようだ
水深は数㎝でまったく危険はないのだが、そんなところに溜まってる水だから結構臭い
急いで抱え上げたところに、ロビーからバスタオルを持ったホテルマンが駆け付ける
周りを水で汚してしまったことを平謝りし、次女を拭きながらなんでこんなことになったんだと問い詰める
しかし落ちたショックと恥ずかしさと怒られることへの防衛反応から、完全に貝と化してだんまりを決め込む次女
何を聞いても無表情のままひたすらタオルで同じところを拭いている
そこで長男・長女によくよく事情を聴いてみたところ、どうやら長男がまずジオラマのヘリのレンガを歩いたり飛んだりしたらしい
それを見た次女もマネをしてヘリに立ったところ、ふらついてバシャン、というわけだ
その時の様子をスリリングに再現して見せる長女
監督責任を完全に怠っていた自分のことはシレッと棚上げして、
「長男、お前が悪い。小さい子のお手本にならなきゃいかんお前が危険なことしてどうする!?」
と長男を叱責する父
するとどうだろう
先ほどまで完璧なる貝と化していた次女が、突如我が意を得たりとばかりにまくし立てたのだ
「そうや、おにいちゃんがわるいんやで!もうな・・・・ほんまにな・・・・次こんなんしたらな・・・・し、しかえしするからな!!!」
なんの仕返しかよくわからないが、とにかく目をむいて長男を激しくナジる次女
最終的に父も長男も次女も悪い、ということでお手打ちに
気を取り直し、晩御飯までの間に家族風呂で体を清めることに(特に次女を重点的に)
目の前に海と宮島が広がるナカナカの眺望
ここで父と長男が先ほどの次女を真似て風呂のへりで片足立ち バランス勝負をするのだが、映ってはいけないものまで映っているので自主規制
あとはお土産を買ったり晩御飯を食べたり、気付けば部屋の布団で爆睡
最終日
さて、楽しかった旅行もいよいよ最終日
あとは我が家に向けてひたすら高速道路を飛ばすのみ
だけどそれではあまりに子供たちが退屈だろうということで、ホテル近くのアスレチック的な施設に寄り道
その名もちゅーピーパークアスレチック
室内の遊戯施設であり、アスレチックやトランポリンに加えて本格的なボルダリングが楽しめるようになっている
ここで一時間しっかり体を動かせば帰りの車は疲れておとなしいハズ
そんな打算を込めて思いっきり遊ばせる
ところが、だ
小学生未満は無理とのことで長男のみが挑戦したボルダリング
これが意外と楽しそうなのだ
想像以上にスイスイと上っていく長男
これを見て俄かに血が騒ぎ出す父
思わず係員に向かって「僕もできますか?」と尋ねる
お金さえ払えば大人もOKとのことで早速トライ
全盛期から15㎏以上は肥えてしまったが、そもそもこういうのは得意分野の父
全部で5回ほどトライし、最終的には最も難易度が高いという、同じ色の石だけを選んで登ることにも成功
四十路だってまだまだ捨てたもんじゃないな
あとはみんなで飛んだり跳ねたりぶら下がったり
というわけで、ひとしきり遊んで広島を出発
無事家まで辿り着きましたとさ
後日談
今私は全身筋肉痛と左肩の激痛に耐えながらこの文章を書いている
特に左肩、あまりに痛むのでMRIを撮ったところ上腕二頭筋長頭腱の腱板損傷および骨挫傷、関節液貯留との診断
いかん、やりすぎた
きっとあのボルダリングが原因だ・・・
やはり四十路を超えると無理は効かないようだ