パンダ組の日常

~だんご三兄妹をめぐるカオスな日常~

君と出会った奇跡


スピッツ / 空も飛べるはず

 

 

昨夜未明、まどろみながら思いっきり屁をこいた。

もの凄い爆発音と共に体が数mm浮いたような不思議な感覚に包まれた。

オナラの可能性を感じた。

 

・・・・・きっと空も飛べるはず

 

そして完全に目が覚めた。

 

 

一度こうなったらもう眠れない体質。

二度寝は諦めてオナラの有効利用について思いを巡らせていると突然、学生時代の懐かしい思い出が甦った。

忘れぬうちに書きとめておこうと思う。

 

 

ちなみに眠れない夜にはこんなのもどうぞ↓↓

pandamonda.hatenablog.com

 

 

 

 

私の通っていた大学では1年次のカリキュラムに「介護実習」が組み込まれていた。

まだ純な心を持つ低学年のうちに過酷な介護の現場を体験させて他職種に対する理解を深めると同時に、医療が医師だけでは成り立たないことを身をもって実感させようというわけだ。

 

とは言えクソ田舎の大学近辺に都合よく100人もの学生を収容できる介護施設なんてあるわけがない。

というわけで我々は名前の順に5人前後の小グループに割り振られ、2泊3日の日程で県内各地の介護施設へと強制的に送り込まれることになったのだ。

 

 

その時の私の班は男ばかりの5人。

実はそれから大学卒業まで、ポリクリ(病棟実習)を含めた様々な実習を行う際の班は大体このメンツであり(一人は早い段階で留年して消えていったが)、最終的には卒業して医者になってからもちょくちょく会うほど仲の良いグループになるわけだが、それはもう少し後の話。

当時はまだ入学して間もない頃であり、互いの素性や腹の内もよくわからない他人同士であった。

 

そして再受験生の私は彼らよりかなり年上。

初っぱなから舐められちゃいかん!という緊張感を持って実習に臨んだ記憶がある。

 

 

さて、いよいよ入学後初めての実習に出発。

と言ってもマイクロバスで何時間もかけて移動する泊りがけの実習はちょっとした旅行気分だ。

「どんな実習先だろう」とか「苛められないかな~」とか、他愛もない話をしながら班員との親睦を深めていく。 

 

施設につくと早速実習開始。

とはいえ医療現場の右も左もわからない私たちは完全にお客さん扱い。

現場の職員に手取り足取りいろいろ教えてもらいながら、手探りで与えられた仕事をこなしていく。

 

しかしいくらお客さん扱いでも、慣れない場所でストレスを感じながら丸一日働くとそれなりに疲れる。

初日のお勤めが無事終了し、大学が予約してくれた近くのビジネスホテルへと帰り着いた頃にはもうヘトヘト。

そんなわけで、翌日への英気を養うために全員で近くの焼肉屋へ繰り出すことにしたのだ。

 

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裏さびれた焼肉屋の座敷に案内された私たちは、何はともあれ一日目の実習、しかも入学後初めての実習を無事に乗り切れたことに乾杯。

注文した肉が運ばれてくるまでの間、ビール片手に再び軽い自己紹介などをしながら談笑していた。

 

 

すると突然鳴り響く警報音。

 

 

ピコピコピコピコピコピコ・・・・・・・・

 

 

なにこの音

どこで鳴ってんの?

 

ざわつく班員達。

少し不安気に音源を探す。

そしてなぜか私の顔を見る。

 

 

えっ!?

オレ??

 

 

どうやら音は私の後ろから聞こえているようだ。

振り返ると私の背後は壁、そしてそこには尻に密着するようにコンセントに刺さった警報器が。

そいつが赤い警戒色を点滅させながらブンブン唸っているのだ。

 

 

なにこの警報器

なになに・・・・ガス警報器って書いてるわ

 

どうやら店に備え付けているガス警報器が誤作動したようだ。

 

なんだよこの警報器、壊れてんじゃね―の?ハハハ・・・

 

言いながら視線を元に戻すと、みながニヤニヤしながら私を見ているではないか。

 

 

・・・・・なによ

 

まさか・・・・・疑ってんのこのオレを??

おいちょまてよ!!

なんだよ、オレが屁でもこいたっていうのかよ!?

 

ま、実はこいたんだけどね、さっきね

 

だけど結構前だぜ?乾杯の時だっけ

「かんぱ~い」ってジョッキ持ち上げた時についプリッとね、リキんだからね

けどそんなんで反応するわけないっしょ、今どきのガス警報器が

人のこと毒ガス王子みたいな顔で見ないでくれる!?

 

 

一気にまくしたてた。

これから始まる長い学生生活、皆のお兄さん的存在でいたかったのだ私は。

こんな初っ端から「屁でガス警報器鳴らしたおっさん」的位置づけになることだけは何としても避けたかったのだ。

 

私の剣幕に周りも渋々納得。

だけど猜疑心がぬぐいきれていないのはそのニヤついた表情からも明らかだった。

 

 

・・・・おーしわかった

そこまで言うなら証拠見せてやろーじゃないの、証拠

次こきたくなったらオレは正々堂々と宣言する

スカしっぺは無しだ

それで警報器が鳴らなかったらオレの勝ち

心配しなくていい、今日のオレはいくらでも出せる

そんな日ってあるよね?

今日ちょうどそんな日なの・・・・

 

 

これで皆納得。

警報器のことは忘れて再び談笑。

 

間もなく機会が訪れる。

当時まだ純粋だった私は馬鹿正直に宣戦布告。

 

 

皆様、大変ながらくお待たせ致しました

ただ今より発射いたしまーす

 

 

皆の期待を一身に背負って発射

 

 

ぶりゅりッ

 

 

固唾をのんで見守る一同

沈黙を続けるガス警報器

 

1秒経過

2秒

3秒

4秒

5秒

 

 

・・・・・・

 

 

 

な!?言ったやろ!!??

絶対オレじゃないって

屁でガス警報器なんて鳴るわけないじゃん!!

これでオレの無実がピコピコピコピコピコ

 

 

 

ま、関西人としては全員を爆笑の渦に巻き込んだ時点で本望なんだけどね。

それにしてもこのガス警報器、絶妙な間と人を小バカにしたピコピコ音・・・・かなりデキるやつだ。

 

これがキッカケなのかどうか、その後はなんとなく漂っていた緊張感も完全に消失し、全員の距離感がグッと近くなったことだけは確かだ。

 

 

すべては長老である私の計画通りだ。

 

 

しかし危ない橋を渡ったもんだ。

もしも班員に嫌な奴が紛れ込んでいたら、大学に帰ってから噂が学年中に広まってイジめられていたに違いない。

 

そしてこれが現在の話だったなら、私は6年間こう呼ばれていたハズだ。

 

 

 

 

ピコ太郎・・・・

 

 

 

 

 

 

屁にまつわる懐かしい思い出話でした。

 

 

屁の話、他にもこんなんありまっせ↓↓↓

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