日々、着実に削られてます
倒れる寸前のジェンガがずっと目の前で揺れてるような閉塞感
もう感染する・・・・次こそ感染する・・・・・・
そりゃまあね、医者になった時からこういう事態は想定してたんだけども
けどいざ現実に事が起きるとね
自分はいいけど家族には伝染したくない、みたいな欲が出てきてね
そんなキレイごと言いながらできれば自分も伝染りたくないんだけどね
でも無理なのかな
発熱外来とかいう名目でプレハブみたいな部屋に熱発患者と二人きりで一日に何人も診てたら・・・いずれ伝染るんだろうかね
せめてマスクをくれ
マスクでどんだけ感染が防げるかなんて知らんわ
気持ちの問題なんだよ
フル装備で敵と戦わせてほしいんだよ
フル装備とか言っても分厚いアクリル板とかオゾン発生装置とか、そんな贅沢は言わんからさ
だからせめてマスクだけは替えさせてくれ
なんで最前線で患者と接する医者とか看護師にマスクが回ってこないんだよ
1週間に2枚しかダメって・・・・
実弾こめてない小銃ぶら下げて敵地に乗り込めってか・・・・・
ま、現状を嘆いても仕方ないわな
無いもんは無い
無い中でなんとかやっていくしかない
だからさ、患者さんも「PCR検査受けさせろ!」みたいに怒鳴るのはやめてね
基本的には一般病院でPCR検査はしませんから
例えできたとしても検査するための防護服がもう底を尽きかけてますから
検査するためにはこちらが飛沫を浴びて感染しないようにマスクやらゴーグルやら手袋やらガウンやら、いろんな装備が必要なんですよ
それらがもうほとんど残ってないわけです
逆に「なんで検査受けられないんだ!」って怒鳴ってる人の家にはストックされたマスクが山のようにあったりしてね、まさかね
先日なんてオレの同僚、近所で買ったレインコートを上から羽織って診療してましたよ
防護服の代わりに
「使ったあとどうすんの?」って聞いたら「帰って洗濯してまた使う」って
それ聞いたらなんか哀しい気持ちになって「スマンな」って思ったけどよく考えたら別にオレのせいじゃないわ
あと微熱が出た途端に受診にくる人
残念ながら来て頂いてもできることが何も無いんです
よくても解熱剤出すだけ
コロナの検査なんて、もしできたとしてもそんな早い段階だとウィルス量が少なくて偽陰性(陽性なのに陰性と出てしまうこと)になることも多いらしいし、だからどこに行ってもきっと検査はやってくれません
病院への往復や院内で他人に伝染したり伝染されたりするリスクを考えると、よっぽど酷い症状じゃない限り自宅で様子を見てるほうが安全かと
もちろん息が苦しいとか尋常じゃなく頭が痛いとか4日経っても熱が引かないとか、重症を匂わせる兆候があれば速やかに受診してCTでも撮って、必要があればPCR検査もするべきだと思うけど
今回のコロナは突然状態が悪くなるとか言うし
だけどそれを恐れすぎて軽症で病院を受診しても、きっと期待した医療は受けられないのが現状
とは言え不安に思う気持ちはよ~~くわかるんだけどね
こんなこと書きながら自分だって、いざ熱が出た瞬間病院に走ってそうで・・・・
たぶん皆さんが想像してる以上に医療現場はギリギリ
医療関連の物資もギリギリ、中で働くスタッフのメンタルはもっとギリギリ、そして病院の存続自体がすでにギリギリ
いつ風評被害で潰れる病院が出てきてもおかしくない状況
けど一生懸命やってても、病院関連で感染者が出た途端に戦犯扱いだもんな
なんかやりきれんわ
一日のお勤めを終えて、少しだけ早退して車で帰路についた昨日
ものすごい青空でほんとにコロナなんているのかなって錯覚してしまいそうな晴天
こんなに天気が良くてももうキャンプとか行けんのやなーなんて考えてたら、平和だった数か月前がすごく懐かしくて貴重に感じた
そしてふと思った
これってきっと戦時中の感覚に近いんだろーな
そう、これは戦争なんだ
抜けるような青空の下、突如現れるかもしれない敵機からの爆撃に恐れおののく戦時中の国民となんら違いの無い状況
物資も足りてないし、ほんとに非常事態
だからそろそろ巣ごもりがツラくなってきた方々へ
今一度、弾の飛んでこない安全な場所に退避できる幸せを噛みしめてくださいな
被災時と違って電気もガスも水道も使えるじゃないの
僕なんてもう自宅待機を命じられた日には失禁しちゃうくらい喜ぶと思う
逆に働きたくても働けない人は今、ものすごいストレスを感じているだろう
そんな人達からしたら働ける僕はきっと幸せに映るはず
そう思うことにして、明日もまたお勤め行って参ります!!
何が何でも生き残りましょう