パンダ組の日常

~だんご三兄妹をめぐるカオスな日常~

羞恥心に火をつけて

歳をとるにつれて、自分の中の「許容できない美的センス」の閾値が高く、すなわち鈍感になっていくのがよくわかる

 

昔だと到底受け入れられなかったこと

そのカッコはさすがにないわ~って思ってたこと

それが今ではやすやすと許容できるんだから驚きだ

 

 

今回は手袋の話

 

私はランニングを趣味としているのだが、今みたいな寒い時期だと手袋無しではとても走れない

 

そんでもって今使ってる手袋がコレ↓↓

 

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なんか文句ある?

 

私は何もない

 

 

もちろんiPhoneを操作するためにわざと破いたわけじゃない

使ってるうちに自然にほつれた

だけど走りながらiPhoneの音楽を選ぶのに重宝している

ありがたいことに中指まで破けてるのでピンチアウトだって余裕だ

老眼の進んだ中年にも優しい仕上がり

もはや手放すことができない大切な相棒だ

 

 

と書いたそばから手袋を無くした(後で見つかったのだが)

今日、走ろうと思って探したのだが見当たらない

さすがに手袋無しじゃ厳しいから嫁さんに「別の手袋持ってきて~」って頼んだらこんなのを持ってきた

 

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・・・・・軍手じゃん

 

 

一昔前なら「おいちょまてよ!」だったはず

だけど四十路を超えた私にとってはもうどうでもいいこと

むしろ暖かいのかどうか、気がかりはその一点のみ

 

 

裏返してみた

 

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ご丁寧に滑り止めまでついていた

ちょっとだけいいボディをもらってしまった

 

一瞬グラついたけどすぐに立ち直った

 

 

・・・・暖かければいいさ

 

 

そのとき小さな文字に気付いた

 

 

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アトムって・・・・・・なんだよ

 

 

 

なぜだか心が折れた

 

さすがにこんなんじゃ走れない、って思った

 

 

 

 

数秒後、驚異の回復力でアトムを受け入れた

歳をとると頑固になるってのは嘘だったようだ

 

 

結局コレをつけて走った

だけど掌だけはしっかりと握りしめたまま、決して開くことはなかった

 

どうやら己の中に眠っていた羞恥心の残差に火が付いたみたい

 

 

まだまだオレも捨てたもんじゃないなって思った

 

 

 

 

 

ありがとう、アトム

 

ありがとう、嫁さん

 

レメディが僕を裏切った

今週のお題「大切な人へ」

 

 

レメディが僕を裏切った・・・!?

 

許さない

許さないぞ

絶対に許さない

地獄の果てまで追いかけてやる

こっちは遊びなんかじゃないんだ

これは契約なんだよ

俺たちを結ぶ血の契約

二人で一つ、もはや宿命

だから裏切りは絶対に許さない

 

許さないぞ・・・・・

 

 

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あ、まだ紹介してなかった

 

レメディって彼女のことなんですけどね↓↓

僕の大切なパートナーです

 

 

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長年にわたり僕と僕の周囲の人間を苦しめ続けた足のニオイ

それをいとも簡単にサラリと消し去ってくれた憎い人

それがこの「グランズレメディ」様なのです

 

 

未だ救いの手の届かぬ仔羊たちよ、彼女を信じなさい

彼女の力は本物です

彼女の力にもはや何の議論の余地もないことは、インターハイソックス臭選手権大会(ハイソックスの臭いを競うインターハイ的な大会)出場経験のあるこの僕が保証します

 

 

僕の足の裏、バルサミコ酢みたいな臭いがするんですよね

でもそれじゃあまりに生々しいからもっと可愛く呼んでます

バルサミコ臭(バルサミコしゅ)ってね

 

 

だけど彼女を2、3回パラパラと振りかけたらほとんど無臭状態になりましたよ

今まで制汗スプレーとかミョウバン水とかノーノ―スメルとか銀イオン〇〇とか、ありとあらゆるグッズに裏切られ続けてきたこの僕がですよ?

信じられますか??

 

 

使い方は至って簡単

靴のなかに付属の小さじですくった彼女を放り込んで、全体になじませて履くだけ

これを数回繰り返したらほんとにもうびっくりするくらい臭いが消えます

僕個人の考えとしてはニオイの元は靴だけじゃなくて靴下にもあるため、なるべく同じ靴下の日にならないように振りかけるのがベターです

 

 

まぁ騙されたと思ってやってごらんなさい

 

 

消えるわよ

 

 

 

 

だけど近頃彼女、変わってしまったんです

僕に対して本気を見せてくれなくなった・・・

 

 

控え目に言っても強烈に臭いんです、足が

レベルアップして帰ってきたんですよ、バルサミコ臭が

 

 

 

だけどよく考えてみると変わったのは僕の方なのかもしれません

この頃臭いだけじゃなくて、なんか変なんです

具体的に説明します

 

 

レメディを使い始めた当初

2、3回使っただけで驚くほど臭いが消えました

その後は半月に一回程度の使用で十分な効果が得られていました

 

それが最近突然、足の指の間から甲にかけて強烈に痒くなったんです

靴下の上から掻き毟りました

帰って靴下を脱いでみると、指の間と足の甲が発赤して熱を持ってました

なんなら少し腫れてます

指の間は一部、皮がめくれています

それと共に強烈なバルサミコ臭が立ちこめました

 

最初は「水虫!?」って思って薬を塗ってみたんですが全く効果なし

それが10日ほどするとウソみたいにピタッと治まったんです

 

何週間か無症状で経過すると突然、前のように両足が痒くなりました

何時何分何秒から、とわかるほどの突然発症です

そして立ちのぼるバルサミコ臭、赤くただれる足

今度は水虫の薬は塗らずに様子を見たんですが、やはり1週間程度でピタッと治まりました

同時にバルサミコ臭も消失

 

このサイクルを何度も繰り返すんです

 

 

ちなみにこの原因不明の痒みと共に生じるバルサミコ

コイツに対してレメディはほぼ無力です

最初はあんなに強力な消臭効果を見せてくれてたのに・・・・・・

 

 

だけど考えたんです

痒みが無い時は臭いも無い

レメディと出会う前の僕はいつでも安定して臭かった

 

ということは・・・・やっぱりレメディは効いている!?

 

 

ちょっとでも彼女を疑ってしまった自分が情けない

やはり彼女の力は本物だ

僕の足の方がおかしかったんだ

きっと得体の知れない何かに感染してる

 

 

まさか・・・・

 

 

 

COVID-19?

 

 

新型コロナ、お前なのか!?

 

 

 

まさかな

いくら新型と言っても僕のバルサミコ臭の前ではイチコロなはずだ、コロナだけに

 

 

 

 

 

だれかこの謎めいた病態を解明してください

 

 

お礼にバルサミコしゅ一年分差し上げます

子の習い事、揺れる親心

今回は少し真面目な話。

というか悩み事。

長男の習い事に関するグチみたいなもんだ。

 

 

長男は幼稚園の頃からサッカーを習っている。

父母の勤務の都合で、園終了後もホームクラスに残らなければならない曜日があったから。

そんな日にただお遊戯しながら待っとくだけ、というのも芸が無い。

どうせなら、ということでその幼稚園が主催しているサッカークラブに入会させたのだ。

 

サッカーを始めてかれこれ三年。

 

正直あまり上手くなっていない。

なんというか、体の使い方がぎこちない。

体幹がブレるというかステップが重いというか。

もちろん始めた頃からしたらちょっとは上達している。

だけど周りの子たちはもっとグイグイきてる。

それに比べたら・・・・

 

 

実は今まで何度もこの件について注意してきた。

もちろんスポーツには合う合わないがある。

上達の速度も人それぞれだ。

だけど残念ながら息子の場合、練習に熱意を感じることができない。

先生が話していても隣の子とおしゃべりしている。

上手い子をよく見て真似するどころか、自分の番以外は土いじりして遊んでる。

サッカーが楽しいというよりも、サッカー教室で友達に会えるのが楽しそう。

ま、それはそれでいいんだけど。

そして何より、自分よりヘタクソだった友達がグイグイ伸びていってもあまり焦りを感じていない(ように見える)。

だから当然、試合になっても点を取りにいく意志を感じない。

きっと上手い子たちが何とかしてくれるだろう、みたいな。

 

父と母で何度もこの点、練習に対する姿勢について注意をしてきた。

それができないならもうやめてしまえ、と。

それでもどうやらサッカーは好きなようで、「やめない、がんばる」とのこと。

だから今までダラダラと続けてきた。

 

 

先日、サッカーのお迎えに近くの公園まで出向いた。

いつもより早めに着いたため、しばらく練習を見ていた。

どうやら試合形式でチーム戦をしていたらしい。

 

上手な子たちが先頭をきってドリブルしたりパスを出したり。

その後ろを他の子たちが必死に追いかける。

そして最後尾には長男。

ボールにはほぼ一回も触れていない。

ただゆっくりと走っているだけ。

そしてその顔は・・・・・うっすらと笑っていた

 

 

練習後二人で帰り道を歩いている時、父の表情に気付いた長男が自分から先に言った。

 

「もうさ・・・・全然触れないねん、ボールに」

 

 

そりゃそうだ。

みんな三年前に比べたら格段に上手くなってる。

もちろん上達の遅い子もいるけど、それでもやっぱり上手くなってる。

 

「おまえさ、なんでボール触れないかわかるか」

「うーーん、練習マジメにやってないから?」

 

 家に帰ってから長男に言い放った。

 

「おまえ、もうそろそろサッカーやめろや」

 

首を横に振る長男。

それでも畳みかける父。

いつもと違い、今回は至って冷静に。

 

「今まで何回もやめろやめろ言ってきたけどな、今回はちょっと違う。今まではお前に期待してた部分もあったからきつく言ってきたんや。なんだかんだ言って真面目にやってくれさえすれば上手くなるんちゃうかなって。だけど三年経って周りはどんどん上手くなって、だけどお前はもうボールにすら触らせてもらわれへんようになって。多分これ以上続けてもお前が惨めになるだけや。この調子やとどうせもうすぐ入ってくる幼稚園上がりの子達にもすぐに追い抜かれるやろうし。でもお前、全然悔しそうちゃうやん、みんなに追い抜かれていってるのに。そのくせに真面目に練習してるって自覚も無いんやろ?一生懸命やれるってのも立派な才能なんやで??お父さんたちだってサッカーだけで週4回も送り迎えしたり休日潰して試合に連れて行ったり、正直しんどいねん。一生懸命やってくれてるんやったらなんぼでも手伝うつもりやけど、目の色変えて打ち込めないスポーツにこんだけの労力を払うのはちょっとな、虚しいわ。お前、空手の方が楽しそうにやってるやん。どうせもう少ししたらどっちかに絞らなあかんと思ってたとこやし、いい機会やからサッカーやめて空手の回数増やそうや」

 

 

自分でも小学一年生に対してかなりキツいことを言ってるのはわかっていた。

だけどいくら一年生とは言え、遊び気分は遊びの時だけで十分だ。

一生懸命に打ち込む姿勢はすべてに通じる。

まだ小さいからできなくても仕方がない、というのとはちょっと違う。

むしろ変な姿勢が定着してしまう前にさっさとやめさせてやるのが親心ってもんだ。

 

貴重な時間とお金を払ってでも、将来子供たちが少しでも有利にこの世の中を渡り歩いていけるだけの武器を持たせてやりたい。

そのためには色々試さねばならない。

本気になれないサッカーにいつまでも固執して機会を損失させるわけにはいかない。

体づくりはサッカーでなくてもできる。

それなら空手をもっと頑張れ。

スイミングをやってみてもいい。

 

 

この件に関しては私と全く同意見の嫁。

 

「三年続けたんだから途中で投げ出したってわけじゃないし。一生懸命になれなくて周りに置いてけぼりにされるくらいならもう潔く辞めちゃいなさい」

 

むしろ私より強くやめさせようという意志を感じる。

音楽一家の嫁さんはきっとピアノか何かを習わせようと画策しているに違いない。

 

 

考え込む長男。

 

しばらくしてはっきりと一言。

 

 

「やっぱりやめたくない」

 

 

顔を見合わす父母。

お互い眉間にシワが寄ってるが、内心わずかにホッとしたのもまた事実だ。

 

「だけどお前、何回言っても遊び半分やんか。そんなんで続けても絶対に上手くなれん。むしろみんなに置いてかれて寂しい思いするだけや、やめときなさい」

 

「いや・・・・・ちゃんと頑張れる」

 

息子の言葉を信じてやりたいのはやまやまだが、過去に何度同じことを注意しても大して変わらなかったのもまた事実。

すんなり「はいそうですか」では示しがつかないし、かえって人生を舐めてしまうだろう。

 

しばらく考えて、こう提案してみた。

 

「そんなにサッカー続けたいならお前も何かを我慢しろ。そうやな・・・・ゾイドワイルド(恐竜のオモチャ)、誕生日プレゼントに欲しいって言ってたゾイドワイルドを我慢しろ。今年のお前の誕生日プレゼントは「サッカーを続けられること」や。それでもサッカーをとるっていうんやったら続ければいい」

 

一瞬長男の目が泳いだ。

そして即答。

 

 

「わかった、ゾイドはいらん。サッカー続けるわ」

 

 

長男が本当にサッカーを好きでやめたくないと思っているのか、それとも売り言葉に買い言葉で引くに引けなくなっているだけなのか・・・・なかなかに判断の難しい局面だ。

だけどやっぱりやりたいって思ってるのだとしたら、例えヘタクソでも続けさせてやりたいのが親心。

こっちだって別にサッカー選手になって欲しいわけじゃない。

試合で1点も取れなくても、それどころかボールに触ることすらできなくても、真剣な目つきで精いっぱい頑張ってる姿さえ見せてくれるならどこにだって応援に行くし、毎週休日を返上したって惜しくない。

 

そうでなければ辛くてもタオルを投げてやるのが親の仕事だ。

 

 

 

 

 

 

子供の習い事は難しい。

 

練習の時、上手な子の後ろをうっすら笑いながら走っていた長男。

 

その時笑っていた息子の心情を思うと胸が苦しくなる。

 

 

笑っていた理由がどちらであったとしても。

 

 

  

子供の習い事は本当に難しい。

親にだって成長の余地はある

子供を叱り飛ばす機会が増えてきた

 

まだ小さい頃は良かった、話が単純で

早くご飯食べなさい

ちんちんを触るな

そんなとこで寝たらダメ

ハナクソ食べちゃいかん・・・

 

だけど子供がだんだん大きくなると、叱る内容もそれなりに複雑になってくる

なんだその言葉遣いは

もっと人の気持ちを考えろ

順序を考えて動きなさい

約束事は守るもんだ・・・・

 

これに対して子供たちも素直にハイとは言わなくなる

二言目には「なんで?」

理由を説明してもなかなか納得しない

そして痛いとこを突いてくる

 

「自分だってできてないやんか!!」

 

 

言われなくてもね、こっちだってわかってんのそれくらい

口が悪いのは生まれつきですから

人の気持ち考えられる人間ならそもそも夫婦喧嘩なんてせんわ

 

できてないからって言わないわけにはいかないんだよ、親として

だから結局いつもの殺し文句で締めくくってしまう

 

 

「父さんな・・・・お前たちには父さんのような失敗をしてほしくないんだよ」

 

なんとなくわかったようなわからないような

そんな中途半端な感じで事態は収束していく

 

 

だけどそれじゃイカンなと

子供に成長を求めるならこっちも成長してるとこ見せないと

じゃないとこれからますます分別がついてくる子供たちに示しがつかなくなる

生まれつき口が悪いとか言い訳してる場合ではない

 

 

 

 

あれから三か月

ついにリベンジを果たす時が来た

 

 

忘れもしない、三か月前のあの日

次女の誕生日にアラレちゃんの絵を描いてやったあの日(もしも上手に絵が描けたなら・・・ - パンダ組の日常

 

その時の次女の目つきといったら

 

あの屈辱は一生忘れない

 

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ま、今冷静に振り返っても「そりゃしゃーないな」って出来だけれども

 

 

 

さて、今回は長女の誕生日

 

何を描いてほしい?って聞いたら「悟空のアラレちゃんコラボバージョン」がいいと

 

 

 

・・・・・父を殺す気か?

 

 

が・・・・受けて立とう!!

 

 

それから血の滲むような努力をした

それはウソ

だけど真剣に書いてみた(もちろん手本を見ながら)

 

 

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嫁さんに斜め45度前方から褒められた

成長したやん、と

 

普段なら

「ぬゎ~にをエラそうにぃ・・・・キサマぁ、、、表に出ろやぁ!!!」

とすぐさま殴り合いモード突入のところだが・・・

 

今回は素直に嬉しくて

「ホンマ!?上手く描けてるのんコレ??ダマしてないオレのこと???今回は怒られへんかなぁ???」

何回も何回も聞き直す始末

どんだけ弱気になってるんだ、オレ

 

 

そしてドキドキの翌朝

 

 

朝起きてコレを見た子供たちはみな、父に合格点をくれた

 

 

成長の跡を見せることができてうれしかった

 

 

 

こっちにだって成長の余地はまだまだあるんだぜ

仮面の告白

 

みなさん、被ってますか??

 

私は被ってます・・・・・

 

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物心ついた頃から口が悪かった。

今でもベースは変わらないが、あの頃はもう怖いもの無しの言いたい放題。

こんなヤツが近くにいても絶対友達になりたくないって今さらながら思う。

 

そんなんじゃいけないと気付いたのが中学の終わりから高校にかけて。

だから仮面を被ることにしたのだ。

 

 

仮面を被ったからかどうなのか、そこそこ仲の良い友達も増えた。

そして何よりモテた。

これは間違いなく仮面を被ったお陰だ。

もしモテ期というものがあるのなら、私のそれはおそらく高校時代。

もっと遊んでおけばよかったと今頃後悔しても遅すぎる。

 

 

浪人・大学と進んで人生の経験値が少しずつ上がるにつれ、内と外で仮面を脱いだり被ったりの切り替えがスムーズになった。

 

 

大学院を中退し、中年に近い年齢で別の大学に入学した。

新しい環境で一世代違う若者達に混じって無難な学生生活を送るためには、もっともっと分厚い仮面が必要になった。

 

その大学で彼女(今の嫁さん)と出会った。

ウマが合ったのかなんなのか、付き合い始めた頃から彼女といるときは自然と仮面を外していたような気がする。

それと同時に、私より10歳近く年下でいかにも頼りなげな彼女をなんとかしなければ、という責任感のようなものも芽生えた。

 

だからというわけではないが、大学を卒業してしばらくすると私たちは結婚した。

 

 

結婚してもうすぐ10年。

 

 

この場を借りて、こんな私についてきてくれた嫁さんにこれだけは言わせてほしい。

 

 

 

 

 

 

・・・・被ってましたね?

 

 

 

そしたらきっと嫁さんはこう言うだろう。

 

 

 

ええ・・・被ってたわよ

ていうか被ってない人間なんていないわよ

 

けどアナタのお陰で被らなくても十分なほどに面の皮が厚くなったわ

 

 

 

・・・・・OK、確かにその通りだ。

みんな多かれ少なかれ被ってる。

それは間違いない。

 

 

しかしなぜだろう、この歳になるともう被ってるのかどうかすらわからなくなってくるんだ。

限りなくナチュラルなつけ心地、自然な仕上がり。

蒸れない、ズレない、はみ出ない。

 

というよりもマイナーチェンジを繰り返した仮面はすでにズタボロのスケスケで、もはやいくら被っても大事な部分なんか何一つ隠せてやしない。

パンツで言えばTバック

仮面ライダーで言えばライダーマン

ほぼ丸見え。

しかもボロボロに剥がれ落ちた仮面の断片はいつしか自分の皮膚の一部としてしっかりと地肌に癒着してしまったようだ。

 

こうなったらもうどこまでが素顔でどこからが仮面なのかすらわからない。

 

元からこんな性格だった気もするし、後から作り上げた人格のような気もするし・・・

 

ま、そんなのどうでもいいことか。

 

 

夫婦の話に戻そう。 

分厚い仮面を被ってた二人が素顔で生活するのだから、当然そこには軋轢が生まれる。

どこの夫婦だってそうだろう。

多分に漏れず私たち夫婦もそんなもんだ。

 

特に子供ができてからしばらくはひどかった。

ほぼ毎日どこかで大小様々な内紛が勃発したものだ。

中東情勢より不安定。

パレスチナ問題より深刻。

 

 

もちろんどうすればそんなしょーもない紛争を回避できるのか、その方法は直感的にわかっていた。

 

こんな仮面を被ったらいい↓↓

 

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相手の言動にイチイチ反応せず、無関心を貫き通すための仮面。

こちらの胸の内もすっぽり覆い隠す魔法の仮面。

 

だけどこんなモン被るようになったらその先に何が待ち受けているか、お互いそれも分かっていた。

行きつく先は・・・・・サヨナラだ。

 

 

だから私たちは別の方法を選んだ。

鉄仮面なんて被らずに毎回毎回素顔で殴り合うという方法。

 

そのお陰で今がある・・・と思っている。

 

※実際に殴り合ってはいません、ただの表現です

 

 

ま、今から考えてもあの頃はしんどかったからな、仕方がない。

子供は三人ほぼ年子。

嫁さんは三度とも半年の産休ですぐ職場復帰だし。

もちろん常勤フルタイムだし。

あまりのしんどさに正常な判断ができなくなってたからな。

このしんどさ、どうしたらいい??って悩んだ結果、「そうだ犬飼おう」ってホントに犬飼い始めたからな。

周りは唖然としてたもんな、コイツらイカれてるってね。

 

もちろんさらにしんどくなったのは言うまでもない。

 

 

 

だけどまぁ、あの頃に比べたらウチも随分とラクになったもんだ。

子供たちもある程度自分のことは自分でできるようになったし。

夜中も比較的大人しく寝てくれるようになったし。

ご飯もちゃんと食べてくれるようになったし。

子供達だけで遊べるようになったし。

 

何よりも嫁さんが常勤をやめたのがデカい。

早い内に無理して専門医の資格を取っといたからな。

これさえ取ったらいつでも常勤やめれるってのを合言葉に頑張ってきたからな。

小さいときから保育園に通わせた分、大きくなった子供らを鍵っ子にしなくてすむからな。

ふふふ、すべてはコチラの想定通りだ。

しんどいことは早い内に済ませておこうってのが俺たちの戦略だったんだ。

 

お陰で何度も危機的状況に陥ったけどな。

 

そんなもん、過ぎ去ってしまえばこっちのもんだ。

 

 

 

 

将来コレを読んでるはずの子供達よ。

父の声を聞け。

 

どんなことがあっても家庭内で鉄仮面をつけるのだけはNGだ。

家庭の外に逃げ場所を見つけるのもダメ。

 

そんなことより素顔で殴り合うんだ。

左のストレートが来たら外受けからの内股蹴りでグラついたとこに軸をずらして死角に入り込んでからの膝蹴り肘打ち回し崩して最後は極め、これで勝負あり・・・・じゃなかった、衝突を避けちゃいかんってことが言いたかったんだ。

 

もちろん、仲がいいのが一番だけどな。

 

だけどケンカのない夫婦なんていない。

山あり谷あり、逃げ出さずに乗り越えた夫婦にだけ見える景色ってものがあるんだ。

 

わかったか??

 

 

 

よしっ、休憩終わり!

 

 

 

 

そろそろ母さんと第2ラウンドやってくるわ!!

恐るべし、公文小僧

ウチの子供たちは三人そろって公文に通っている。

いわゆる「公文小僧」というやつだ。

 

なぜに公文か。

それは父も「元・公文小僧」だからだ。

 

学習のツールとして公文式がいかほど優れているのか、そんなことは知らん。

ただ何となく公文。

公文行ってりゃ大丈夫。

そんな感じだ。

 

だけど実際のところ、早いうちに字が読めるようになるのはいい。

字が読めると本が読める。

本が読めると世界が広がる。

長男と長女はもう字が読めるので、読書が楽しくて仕方がないらしい。

 

 

現在小学一年生の長男は既に立派な本の虫。

本さえあれば2時間でも3時間でも、遊び道具が無くても You tubeが見れなくても全く問題なし。

今は父が子供の頃大好きだったズッコケ三人組」シリーズに夢中だ。

 

だけどこの本、オレってたしか高学年の時に読んでたような・・・・

一年生の頃なんて頑張っても「エルマーの冒険」がいいとこだったぜ?

 

ちなみに長男、「エルマーの冒険」シリーズなんぞは幼稚園年長で読破していた。

近頃の子供は早熟なんだろうか。

それともこれが公文小僧の実力ってやつなのか?

 

 

長女は今、本の虫になるべく着実に歩を進めつつある。

次女はようやく平仮名を覚えてきたかな、といったところだ。

 

 

こんな風に本を読めるようになったうちの半分は公文様のお陰なのだが、では子供たちは公文が好きかと言うと当然そんなハズはない。

 

子供たちにとっては公文じゃなくて苦悶。

そして毎日それをやらせる親にとっても公文は苦悶。

 

何かを得るためにはそれなりの代償を払わねばならないのだ。

それは親でも子でも一緒のこと。

 

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さて先日。

仕事が早く終わった父が嫁さんと途中交代して子供たちの公文教室に顔を出した。

基本自宅学習であるが、週に1,2回程度、近くの教室で添削を受けるのだ。

嫁さんは晩御飯の用意があるため先に帰宅。

 

その日、父はどうしても早く家に帰りたかった。

なぜなら晩御飯までの間に軽くランニングをしたかったから。

ただ今ダイエット成功中なのだ。

日に日に減っていく体重計の数値を見るのが楽しみで楽しみで仕方がない。

 

オマエら、集中してサッサと終わらせてとっとと帰るぞ

 

三人の耳元で囁く。

こういう時の父は怖いのだ。

 

しかしどれだけ強く釘を刺しておいても、三人いれば必ず誰かがダレる。

普段なら長男や次女の集中力が途切れることが多いのだが、その日は珍しく長女がまったくダメ。

 

長男と次女はしばらくするとその日の宿題をコンプリート。

長女が終わるまでの間、めいめい本を読んだりパズルをしたりして時間を潰し始めた。

父は長女の後ろに座って宿題が終わるのを今か今かとイライラしながら待つ。

 

次女とパズルをしながらふと目をやると、なぜか鉛筆も持たずにソワソワしている長女の姿が。

イライラが頂点に達して声が大きくなる。

 

「おい長女、オマエなにチンタラやってんだよ」

 

何かを探している様子の長女。

 

「・・・・ちゃうねん、エンピツがないねん」

 

「は?今の今まで書いてたやろーが!

この狭い机の上でどうやって無くすわけよ!?」

 

「知らん・・・でも急になくなってん」

 

「もうええ!次女の鉛筆借りて早く続きやりなさい!!」

 

「は~い・・・」

 

気の抜けた返事と共に再び動き始める長女。

 

その間に鉛筆が長女の足元に落ちていないか確認するも見当たらない。カバンの中も机の中も探したけれど見つからないのにまだまだ探す気ですか?それより僕と踊りませ・・・・違う、あちこち探したけど結局鉛筆は見つからず。

 

諦めてもう一度長女の後ろに座った。

 

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刺さってた。

鉛筆が刺さってた。

長女の後頭部に。

 

黙ってiPhoneを構えた。

震える手を抑えながら何度も何度もシャッターを切った。

周りの児童にガン見された。

気にせず撮り続けた。

 

長女に見せた。

二人で爆笑した。

先生にガン見された。

 

 

 

結局時間内に終わらなかった・・・・il||li _| ̄|○ il||l

 

火花

医局の横には職員専用の小さなトイレがある。

 

その小さなトイレには小便器が二個、対側には大便器が二個。

小便器の隣、入り口を入ってすぐのスペースにはこれまた一人分の手洗い場。

小便器と大便器の間の通路は人一人がギリギリ通れる幅しかない。

とにかく狭いのだ。

 

このトイレに大人が二人入るともう閉塞感でいっぱい(大便器の個室に入れば別だが)。

本来なら先に入った人間が一番奥の小便器を使うべきなんだろうけど、もし後から誰かが入ってきた場合、先に用を足し終えた後に手洗い場まで体にあたらないようそーっと背後をすり抜けていかなければならないのが凄いストレス。

だから私は手前の小便器を使うようにしている。

例え後から入ってきた人が奥の便器を使うために私の背後をすり抜ける際肩がぶつかって大参事になろうとも、私は一切文句を言うつもりはない。

 

 

この狭いトイレで一番気まずい瞬間。

それは小便器使用中の二人がほぼ同時に用を足し終えた時だ。

もう少し具体的に言うと、ほぼ同時だけど実際にはちょこっとだけ奥の小便器を使っている人間が早くフルフルし始めた時だ。

そんな時、何も考えずにこちらまでフルフルしてしまうと、便器を離れるタイミングが丁度重なってしまって

「あっどうぞどうぞ」

「いやそちらこそ、お先にどうぞどうぞ」

みたいな面倒くさい状況になってしまう。

 

このクソ狭い空間で肩を寄せ合いながら。

 

だからそういう場合は大概手前の便器を使っている人間が先に手洗い場に向かうのだが、手を洗い終わるまでの一部始終をすぐ後ろでじっとり見られるのはこれまた凄いプレッシャー。

本来小便後はササッとしか洗わない主義なのだが、見られてる気がするといつもより丁寧に洗ってしまうのが悲しい性。

だけどあまりに時間をかけてしまうのも別の意味で結構気まずい。

そんなことを色々考えると疲れてしまうのだ。

 

 

というわけで、たまたまこの狭いトイレで不運にも他人とバッティングしてしまった場合、私は全神経を集中して自分が先に出るか、はたまた相手を先に行かせるかを判断する癖がついてしまった。

 

相手が若い人間だったら話は簡単、先に入った方が先に出ればよい。

尿速なんてそんなに変わりはしないのだ、大概は先に入った方が先に終わる。

問題は相手が御年配であった場合。

この時は全身をセンサーにして情報を収集せねばならない。

 

その際最も重要になるのは音。

音から尿勢を推測し、前立腺肥大による排尿障害の有無を判断するのだ。

 

例えば自分が後からトイレに入ったとする。

ゴソゴソと準備してるように見せかけながら聞き耳を立ててしっかり情報収集し、先方の尿勢が乏しいと判断された場合、スリップストリームから一気に抜き去るか、はたまたこちらも速度制限して相手を先に行かせるかを瞬時に判断する。

 

もう一つ大事なのは振動覚。

いくら相手が尿勢に乏しいと判断されても、こちらより相当早くから事を始めていればさすがに勝ち目がない。

彼が今全行程のどのあたりにいるのか、駆け出しなのか道半ばなのかそれとも終了間際なのか、そこまで推察せねばならない。

そのためには男子特有のフィニッシュスタイル、「フルフル」へ移行しそうな気配を全身で感じ取る必要がある。

そのモーションへ入ろうとする瞬間の気配(空気を伝わってくる僅かな振動的な何か)を逃さずキャッチするのだ。

もはや職人技だ。

 

 

 

さて、日々そんな緊張感と共にそのトイレを使用している私にとって屈辱的な事件が起きた。

つい先日の話だ。

小用のため、誰もいないトイレで悠々とチャックを下ろした時のこと。

突然トイレのドアが開いて誰かが入ってきたのだ。

横目でチラ見すると、どうやら私と同じ年の医者のようだ。

その医者は申し訳なさそうに私の背後を肩をすぼめて通り抜け、二つ並んだ奥の方の小便器の前に立った。

 

ちっ、タイミングわりぃな・・・・

とっとと済ませて早く出ちゃお

 

そう思ってアクセル全開でブッちぎろうとした瞬間、非常事態が私を襲ったのだ。

 

 

 

や、ヤベぇ・・・・・・

 

 

 

 

 

オナラ出そう・・・・・

 

 

 

 

私の脳内をイエローフラッグが忙しげに翻る。

 

 

 

速度制限!!速度せいげ~~~~んっ!!!

 

 

 

人間の体とは不便なものだ。

オナラを我慢しようと肛門括約筋をキュッと閉めると、連動して尿道括約筋までキュッと閉まってしまうのだ。

 

ここで私の取れる選択肢はたったの二つ。

 

屁をこきながらさっさと用を済ませてその場を立ち去るか

屁を我慢して隣人が先にトイレを出ていくのを黙って見送るか

 

それ以外に都合の良い選択肢はない。

まさに二律背反、アンチノミー

 

 

未だ恥じらいを捨てきれない私は当然後者を選択。

仁王立ちのまま尻の筋肉をキュッと絞る。

もちろん出るべきものは一滴も出ない。

私の周囲だけを静寂が包み込む。

 

 

 

後から入ってきたヤツは間違いなく異変を感じ取っていた。

別に彼がサトラレじゃなくてもそれくらいのことはわかる。

ヒシヒシと感じるんだ。

 

 

えっ、この人・・・・前立腺肥大?

確かオレと同い年じゃなかったっけ??

この歳でもう排尿障害あるの???

 

・・・・・お気の毒さまぷぷぷっww

 

 

 

 

奴は絶対そう思ってた、心の中で。

そしてオレを嘲笑ったに違いない。

そうに決まってる、反論なんて聞きたくもない。

 

 

 

呆然と立ち尽くす私を尻目にヤツの勝利のフルフルが始まった。

マウンティングを獲った者の余裕のフルフル。

 

 

奴は知らない。

そんな彼の陰で私が小刻みにフルフルしてたことを。

 

 

それは決してフィニッシュのフルフルなんかじゃないんだ。

もっと哀しいフルフル。

若くして前立腺肥大による排尿障害持ち」というレッテルを貼られたオレの魂がフルフルしてたんだ。

 

魂フル(たまふる)なんだ。

 

 

 

用を済ませた彼は肩をすぼめながら申し訳なさそうに私の後ろを通りぬける。

 

 

ごめんなさいね~プスッ・・・先行きますね~プススッ

 

 

そしてササッと手を洗った後、悠々とトイレを後にしたのだ。

ケツをキュッと締めたまま小刻みにフルフルしてる私を一人置き去りにして。

 

 

 

 

 

はい、おしまい。

 

 

 

 

 

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