さーいよいよ始まりました、センター試験。
久方ぶりの本番とはいえ、通算ではもう〇回目ともなると初々しさはゼロ、むしろジャージ姿で会場に乗り込むふてぶてしさ。
しかし見た目とは裏腹に小心者の私はその数日前から腹具合が悪く、とても万全とは言い難いコンディションであった。
だけどそんなことお構いなしに試験は開始。
何とか午前の部を無難にクリアした私は、昼飯後の気晴らしにと会場の隣にあるAEONへ足をのばした。特に何をするでもなくダラダラ過ごすうちに昼の休憩も終わりに近づいたため、小用をたしてから試験会場に戻ろうと近くのトイレに立ち寄った。
目的を果たし手を洗って鏡の前で髪の毛を整え、さあ午後からも気張るぞ!と何かのCMみたく頬っぺビシビシ気合を入れてトイレの出口から一歩踏み出した瞬間・・・
気張りすぎてウ●コが出てしまいました。
名誉のために繰り返したい、数日前から腹具合が悪かったのだと。
しかし四半世紀も生きてきて、なんぼ何でも人生ココ一番の大舞台でウ●コ漏らさせるとは・・・神サマこの仕打ちはさすがに厳しいんですけど(さりげなく被害者ヅラ)・・・。
だけど前にも言った通り、私の心臓には剛毛が生えていた。
良かったー、ジーンズはいてなくて(理由は無いけど、なんとなくジャージだと取り返しがつくような気がした)
しかもここAEONだし、代わりのパンツすぐ手に入るじゃん!!もしやツイてきたのかオレ?(ツイてるのはウ●コだけど)
超ポジティブ思考へと瞬時に切り替えた私は、残り時間を睨みながらトイレに駆け込んでパンツを脱ぎ去りそのままゴミ箱にポイッ。次に日用品売り場を目指して階段を猛ダッシュ(もちろんノーパンで)、なんでもいいからとにかくトランクス的な下着をつかみ取ると殴りかかる勢いでレジへ、釣銭はイラネーとばかりに代金を叩きつけてもう一度近くのトイレに飛び込み買いたてのパンツを装着。まだ時間は十分あることを確認し、何事もなかったかのように悠々と試験会場に戻ったのであった。
波乱含みのセンター試験ではあったが、なんとか二日間を無事終了。
どうやらツイてたのはウ●コだけで結果はあまりパッとしないものであったが、その場でハイおしまい、というほどの点数でもなくこれならまぁ受験は許されるかなって程度。
ちなみにセンター試験での失禁話は確実にウケると思い、試験終了後に渾身の話術で家族に話して聞かせたところ、意に反して母親に涙ぐまれてしまった。
そこまで追い込まれてたんやね可哀想に、と。
イヤイヤそこは笑って流すところでしょう、泣かれるとなんか苦労話みたくなって逆に辛いんですけど。そう思いながらもやっぱちょっと傷ついてたらしい自分の気持ちが少しだけ癒された試験後の束の間の団欒であった。
その6へ続く