パンダ組の日常

~だんご三兄妹をめぐるカオスな日常~

大腸カメラを受けようか迷っているあなたへ

えぇっ??

みんなまだ受けてないの!?

 

ホントに!?!?

 

へえぇ~~

 

ふ~~~ん

 

 

 

長きに渡り「いつか受けねば」と思い続けてきた大腸カメラ。

この度ようやく重い腰を上げて行って参りました。

 

自分が終わった途端、冒頭のような優越感に浸ってしまうのが私の悪い癖です。

お詫びと言ってはなんですが、どんな検査だったか軽くレビューしてみようと思います。

 

 

実は自分が勤務している病院なら安く検査を受けることができたのですが、知ってる顔がズラリと並ぶ前でどうしても御開帳する勇気がなかったのです。

 

だから今回は家の近くのクリニックを夫婦そろって受診。

 

これはもう施設にもよりけりですが、そのクリニックは胃カメラと大腸カメラを同時にやってくれるのです。

念のために断っておきますけど、同時とは言えもちろん上下両方から同時に攻め入るわけではありません。

最初に胃カメラ、それが終われば続いて大腸カメラと連続で行うのです。

半日ですべてが終わるというのは大変ありがたいものです。

 

 

まずは検査前に一度受診します。

基礎疾患が無いか、常用している内服薬はないか、など型通りの問診に続いて検査日を決め、以後は別室で看護師から検査前の注意事項を受けます。

ここらへんはどこの病院でも大体同じです。

 

一般的に胃カメラだけなら話は簡単です。

検査の〇時間前から食事を控えて下さい、血液サラサラの薬を飲んでる人は〇日前から休薬してください、くらいのもんです。

 

問題は大腸カメラです。

検査数日前から下剤やら低残渣食やら。

しかも当日は大量の水と腸管洗浄剤を飲まなければいけないので大変です。

大腸にモノ(ウ〇コ)が残ってると十分な観察ができないためです。

だからどんなに大変でもやらねばなりません。

 

だけど大腸カメラは大事です。

中年と呼ばれる年頃になったら一度は受けておいて損はないと思います。

将来の癌の芽(ポリープ)を早々に摘み取ることができる数少ない検査なので。

良性と思って取ったポリープが後の病理検査で癌と診断されたとしても、取り切れていれば内視鏡だけで治療が完結してしまうわけですし。

 

 

話を戻します。

検査前の注意事項と服薬方法の説明を一通り受け、当日の腸管洗浄(前処置)をクリニックで行なうか、はたまた自宅で済ませてくるかを聞かれます。

子供達を親に預けなければならない私たちに選択肢などありません。

少しでも家を空ける時間を短くするため、前処置は迷わずに自宅をチョイスです。

 

朝イチから腸管洗浄を始めて午後一時に来院するよう説明を受け、その日の診察は終了です。

 

 

さて、検査前日。

クリニックから渡された低残渣食を朝昼夕と食します。

病院によっては費用が発生するため低残渣食は処方せず、うどんなど消化に良いものを食べるように指示する場合もあります。

 

私たちが手渡された低残渣食は湯煎やレンジで温めるレトルトタイプのもの。

朝は鶏卵雑炊、昼はジャガイモの煮つけと卵雑炊、晩はビーフシチューとクラッカーです。

間食としてチューブに入ったすりおろしリンゴが付いています。

総じて750kcal程度です。

外で一日フルに働く身としてはあまりに残酷なカロリーです。

こんなんで一日を乗り切れるハズなどありません。

 

なので那智黒飴を一袋購入し、一日中しゃぶり続けました。

コイツのせいで便が黒色になるんじゃねーかってくらいにしゃぶり続けてやりました。

 

那智黒、おいしいですよね。

 

 

検査前夜、プルゼニドという大腸の動きを良くする下剤を2錠内服して早めに就寝します。

 

 

さて、検査当日。

朝起きてすぐにガスモチンという、これまた胃腸の動きを活発にする薬を3錠も飲みます。

ちなみに通常なら食前に1錠の薬です。

敵の本気度がビシビシ伝わってきます。

 

その後はいよいよ腸管洗浄のご本尊登場です。

 

ちなみに腸管洗浄とは、腸の内容物(ウ〇コ)をすべて洗い流して最終的にほとんど白色の水しか排出されないようにするという、大腸カメラ前に必須の処置です。

繰り返しますが、これを怠ると十分な観察ができないのです。

 

私たちが処方されたのはモビプレップという比較的新しい洗浄剤。

粉末が入っている大きな袋に水道水を2L入れて混ぜ混ぜし、180mlずつゆっくりと時間をかけて飲んでいきます。

風味はやや塩味を感じるスポーツ飲料といったところでしょうか。

決してまずくはありませんが、腹にたまってくるとウプッとなります。

これを1時間かけて1000ml、その後に水500mlをゆっくりと飲みます。

 

 

嫁さんと同時に飲み始めること1時間、まずは私に産徴が現れました。

 

急いでトイレに駆け込むといきなりシャワーみたいな水様便。

時々固形成分が混じりながらドバっと出ます。

 

トイレから出ると嫁さんがドアの前で静かに順番を待っています。

お互い軽く目で会釈。

今度は嫁が出産、私は引き続きモビプレップを飲み続けます。

 

2回目の出産で私の便はルーをケチったしゃばしゃばのカレー状態になりました。

3回目の出産で私の便は味噌をケチった薄い味噌汁状態になりました。

そして4回目の出産。

この段階でほぼ米のとぎ汁様の完璧な状態に。

ここまでの所要時間は薬剤服用開始後約1時間半。

 

こういう系?に関してはいつも優等生なのですよ、私はね。

 

 

反対に嫁さんは苦戦してましたね。

始めのモビプレップ1000ml+水500mlではビクともせず。

続くモビプレップ500ml+水250mlでもカレー状態が続きます(ちなみに優等生である私はこの段階で前処置終了)。

最後のモビプレップ500ml+水250ml(これでちょうど2L)でもやや不安が残るようで、私が残したモビプレップ500mlを物欲しそうにチラ見してきます。

 

 

・・・・・宿便女

 

 

心の中で思いましたね。

でも口には出しません。

そういう配慮はできる方なのです、私は。

 

 

それでもなんとか昼前には嫁さんも私のような純白の域に。

 

それでは夫婦そろっていざ出陣です。

 

 

 

クリニックに入って受け付けを済ませると、検査を受ける人専用の待合室に通されます。

 

職員が便は何回出たかだの何色でどういう形状の便だったかだの、とにかくもう私たちのデリケートな部分に抵触しまくる質問をこれでもかとぶつけてきます。

 

そいうこと聞かれるのってわりと嫌いじゃないんですけどね。

 

一連の質問が終わったら、あとはひたすら放置プレー。

雑誌を読みながら自分の番が来るのを粛々と待ちます。

 

 「それではご主人さん、検査着に着替えてください」

 

どうやら私からのようです。

 

手渡されたのは検査用の服と変わったデザインのパンツ。

だぼだぼのボクサーパンツですが、通常の男性用下着についてる小をたすための窓、そのパノラマバージョンみたいなデッカイ窓がお尻の方についてます。

 

まさに今からリングに上がらんとするボクサーのように高揚した気分でボクサーパンツを装着しましたが、なんとなくお尻がスースーして今一つ気合が入りません。

 

このデザインはきっと緊張をほぐそうというクリニックの粋な計らいなのでしょう。

内視鏡を尻から突っ込むための穴です

 

 

着替え終えて待つことさらに15分、いよいよ検査室に呼ばれます。

 

「行ってくる」

嫁さんに短く声を掛けます。

 

「頑張って」

嫁さんが短く答えます。

 

ただの内視鏡とはいえ侵襲的検査であることに変わりはなく、これが最後の会話となる可能性だってないことは無いわけです。

 

検査室へと向かう私の背中を嫁さんが熱い視線で見送ります。

 

ボクサーパンツの尻の窓をジッと見られてる気がして変な気分です。

 

 

検査室に着くと早速ストレッチャーに横たわります。

看護師が血圧計を巻いたり薬剤を注入するための血管ルートを確保したり、テキパキと動き回ります。

その時、シリンジポンプ(注射器内の薬剤を少量ずつ正確に押し出すための機器)に装着された注射器の中の真っ白い液体の存在に気付きます。

 

 

おっミルク・・・・じゃねーや、プロポフォール

 

 

日常診療で患者に鎮静をかける際に使う麻酔薬です。

気管挿管などで患者を寝かせる必要がある時によく使います。

 

普段自分が使っている薬がどんなものなのか、実際に身をもって体験できるのはすごく貴重なのです。

 

だけどその時の私はなんだかものすごく変なテンションになっていました。

検査前の緊張感からか、今から私に使われるであろうプロポフォールに対してやたらと闘争心が湧いてきたのです。

 

 

「眠くなるお薬が入りまーす」

看護師が事務的にシリンジポンプ内の薬剤を早送りで流し始めます。

 

私の眉毛がピクリと動きます。

 

 

プロポごときでこのオレを寝かせつけようだと!?

 

やれるもんならやってみやがれぃ!!

 

ショットで20㏄くらい入れない限りこのオレは〽〇☾✖☆※zzz

 

 

 

 

なにかの夢を見ていました

そしてハッと気が付けば回復室でした。

途中何をされたのか全く一切な~んにも覚えていません。

 

ふと横を見ると嫁さんがこちらに背中を向けて爆睡してます。

まだボーっとする頭を無理やり起こして立ち上がり、嫁さんの頭と尻をはたきましたが全く起きません。

 

麻酔が完全に醒めたら検査着から私服に着替え、元の待合室で待機です。

20分後には嫁さんも無事生還。

その後二人で先生から結果を聞いたら全てのお勤めが終了です。

※観察だけならこれで終わりですが、ポリープを切除されてたら数日間はお酒が飲めません。運動もできません。そして検査代が跳ね上がります。

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

不覚にも一番大事な部分は眠りこけていて全く覚えていませんけど。

ま、考えようによっては知らぬ間に終わってしまう苦痛の少ない検査ってことで。

だけど前処置(ウ〇コを絞り出すやつ)だけは苦痛を伴いますのであしからず。

 

※全ての施設が鎮静剤を使っているわけではありません。場合によっては起きたままやるケースもあると思います。その時はかなりつらいと思います。受診時にご確認ください。

 

 

 

大腸内視鏡検査、一度は受けておかれることをお勧め致します。。。