子供達にご飯を食べさせること。
食べるものがある有難みを気付かせること。
これは親にとってかなりの難題だ。
今日も遅々として食事がはかどらない子供たちに怒り狂う嫁さんを見て、ふとそんなことを考えた。
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子供達によく噛めと言ってるわりに、自分はあまり噛んでいない(らしい)。
だからなのかどうなのか、食べるのが物凄く速い。
職場で人と昼飯を食べることがあっても、相手が三分の一食べたかどうかの段階ですでに食べ終えていることが多い。
もちろんこれが相手に無言のプレッシャーを与えることは十分承知している。
それはわかっていても、今さらゆっくり食べることができないのだ。
そしてこちらからしてみても、サッサと仕事に戻れるところを相手が食べ終えるまで待たなければいけないのは結構面倒臭い。
なので基本的に一人で食べるのが好きだ。
もちろん気を使わないで済む人となら良いのだが、中途半端な知り合いと食べるのが一番ストレスになる。
それなら一人で食べる方がよっぽどマシ。
だから職場でも、こちらから人を誘って昼飯を食べに行くことは滅多にない。
しかしなんでまた、自分はこうも食べるのが速くなってしまったのだろうか・・・
思い当たるフシはいくつかある。
まずは習慣的な問題。
一時期再受験のために休学してたのだが、そのまま通っていた大学の図書館や学食を利用していた。
その時はさすがに気まずくて、とにかく知人に会わないようにコソッと食堂に行ってはササッと食事を済ませる、そんな日々を送っていた。
この時に食べる速さが格段にアップしたのは間違いない。
次に食べることへの執着。
とにかく昔から食べるのが好きで、飯を食いながら次の飯を何にするか真剣に考えているタイプだった。
そんなだから目の前にある料理を何としてもおいしいうちに食べ終えたい、という気持ちが人一倍強い。
熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷たいうちに。
犬を飼ったことがある人ならわかると思うのだが、ヤツらはあり得ない集中力で目の前のエサをガツガツと食べる。
毎日毎日同じドッグフードばっかなのに、いつでも「こんなん初めて食べましたよ」みたいな感じで。
なんか見てるこっちが申し訳ない気持ちになってくる。
ついつい違うものを食べさせてやりたくなる衝動をグッとコラえるのに必死だ。
脱線したが、自分は良くも悪くも動物的なんだろう。
まぁ他人からは行儀が悪いとかセワしないとか言われるんだろうけど。
でも個人的にはガツガツとモノを食べる人が好きだ。
男にせよ女にせよ。
なんか真剣に生きてる感じがするし、食べ物に対する敬意を感じるのだ。
別にゆっくり食べることを否定しているわけではない。
ゆっくりと丁寧によく噛んで食べている人は、きっと「食べる」という行為を大切にしているんだろう。
実際その方が医学的にも良いことは立証されているわけで。
自分もそうなれるように一応努力しているつもりなのだが・・・・。
だけど「ながら食い」で集中してないから食べるのが遅いだけ、というパターン。
これは見ていてモノスゴくイラつく。
もし自分が弱肉強食の習いに従って何者かに喰われるとしたら、マナーなんてどうでもいいからとにかく集中して貪るように食べて欲しい。
それなら浮かばれる気がする。
だから自分の子供達にも、箸の持ち方とかクチャクチャいわせないとかの最低限のマナーは守らせるとして、それ以上特にお上品さは求めていない。
とにかく真剣に食べろと。
でもこれを子供達に理解させるのは・・・・・・まず無理だな。
自分だって小さい時からなんでも貪欲に食べてたわけじゃないし。
一昔前に話題になったように、産まれたばかりの家畜を飼って育てて最後に命を頂く。
それくらいしないと本当の有難みを教えることはできないんだろうな。
子供達に食べることを教えるのは本当に難しい。
なんとも贅沢な話です。。