この歳になって酒を飲んで吐くことは滅多にない。
20代の前半はそれなりに吐き散らかした記憶があるが、ナイスミドルに成長した今日この頃はそんな野蛮な飲み方を一切しなくなった(はず)。
友達が少ないため家族第一主義のため滅多に外飲みはしないが、一応社会人なので断れない飲み会もある。
先日もそんな飲み会があり、特に飲みすぎというわけでもない一次会の次にカラオケで1、2杯、最後に〆のラーメンでビール1杯。
上機嫌で歩いて帰宅するも玄関のドアにチェーンがかかっていたことに激怒し嫁と壮絶なバトルが勃発、ふて腐れてさっさと歯を磨き12時には布団にもぐりこんだ。
普通の深酒ならそのまま爆睡して終わりなのだが、その日は冷や汗を伴う異様な頭痛で3時頃に目が覚めた。
布団の中で「これはいかん・・・尋常じゃなく痛い・・まさかクモ膜下出血か・・・・・・ヤバい・・嫁と喧嘩している・・・ここで倒れていても朝まで放置される可能性が極めて高い・・・」なんて酔っぱらった頭で考えてるうちに徐々に覚醒、どんどん強くなる痛みに耐えきれずついに禁断の神薬ロキソニンに手を出した(日本男児ゆえよほどのことが無い限り安易に鎮痛薬は飲まない主義)。
これで大丈夫あとはロッキー(ロキソニン)が何とかしてくれるさやっと楽になれるぜ、と安心したのも束の間、薬を飲んだ直後に猛烈な吐き気がこみあげてきた。
もともと嘔吐することが少なく吐くことに強い恐怖を感じるタイプなので、ロッキーが効きはじめるあと数十分を凌ぎきれば頭痛と共に嘔気も消えるはずと自分に言い聞かせ、無駄にリビングを歩き回ったり関取花ちゃんの「黄金の海で逢えたなら」を歌ってみたりと画策するも1分で断念、トイレに駆け込むと同時に噴水のように嘔吐した。
3回目の嘔吐で吐物の色が赤みを帯びたように感じた私はすぐさま夫としてのプライドを吐物と共にトイレへ流し去り、怒って別々に寝ている妻の寝室をおずおず尋ねると、まるでオモラシをした小学生が親に報告するかの如く、あのねさっきオエッてしたんだけどなんか吐いたのが赤かった気がするの、と告げたところ、さすがの嫁も腹をさすったり水を持ってきたりと甲斐甲斐しく介抱してくれた。
治まらない頭痛にロッキーを追加投入し待つこと20分、ようやく長い苦しみから解放されうつらうつらとまどろんで気が付けばもう朝、今日もお仕事がんばるぞー!!・・・とはとても思えません・・・
以上、吐き慣れている人には特に何てことないお話でした。
しかし久しぶりの嘔吐で普遍的事実を再確認することができた。
ゲロって何食っても同じ味。