ウチの子供たちは三人そろって公文に通っている。
いわゆる「公文小僧」というやつだ。
なぜに公文か。
それは父も「元・公文小僧」だからだ。
学習のツールとして公文式がいかほど優れているのか、そんなことは知らん。
ただ何となく公文。
公文行ってりゃ大丈夫。
そんな感じだ。
だけど実際のところ、早いうちに字が読めるようになるのはいい。
字が読めると本が読める。
本が読めると世界が広がる。
長男と長女はもう字が読めるので、読書が楽しくて仕方がないらしい。
現在小学一年生の長男は既に立派な本の虫。
本さえあれば2時間でも3時間でも、遊び道具が無くても You tubeが見れなくても全く問題なし。
今は父が子供の頃大好きだった「ズッコケ三人組」シリーズに夢中だ。
だけどこの本、オレってたしか高学年の時に読んでたような・・・・
一年生の頃なんて頑張っても「エルマーの冒険」がいいとこだったぜ?
ちなみに長男、「エルマーの冒険」シリーズなんぞは幼稚園年長で読破していた。
近頃の子供は早熟なんだろうか。
それともこれが公文小僧の実力ってやつなのか?
長女は今、本の虫になるべく着実に歩を進めつつある。
次女はようやく平仮名を覚えてきたかな、といったところだ。
こんな風に本を読めるようになったうちの半分は公文様のお陰なのだが、では子供たちは公文が好きかと言うと当然そんなハズはない。
子供たちにとっては公文じゃなくて苦悶。
そして毎日それをやらせる親にとっても公文は苦悶。
何かを得るためにはそれなりの代償を払わねばならないのだ。
それは親でも子でも一緒のこと。
さて先日。
仕事が早く終わった父が嫁さんと途中交代して子供たちの公文教室に顔を出した。
基本自宅学習であるが、週に1,2回程度、近くの教室で添削を受けるのだ。
嫁さんは晩御飯の用意があるため先に帰宅。
その日、父はどうしても早く家に帰りたかった。
なぜなら晩御飯までの間に軽くランニングをしたかったから。
ただ今ダイエット成功中なのだ。
日に日に減っていく体重計の数値を見るのが楽しみで楽しみで仕方がない。
オマエら、集中してサッサと終わらせてとっとと帰るぞ
三人の耳元で囁く。
こういう時の父は怖いのだ。
しかしどれだけ強く釘を刺しておいても、三人いれば必ず誰かがダレる。
普段なら長男や次女の集中力が途切れることが多いのだが、その日は珍しく長女がまったくダメ。
長男と次女はしばらくするとその日の宿題をコンプリート。
長女が終わるまでの間、めいめい本を読んだりパズルをしたりして時間を潰し始めた。
父は長女の後ろに座って宿題が終わるのを今か今かとイライラしながら待つ。
次女とパズルをしながらふと目をやると、なぜか鉛筆も持たずにソワソワしている長女の姿が。
イライラが頂点に達して声が大きくなる。
「おい長女、オマエなにチンタラやってんだよ」
何かを探している様子の長女。
「・・・・ちゃうねん、エンピツがないねん」
「は?今の今まで書いてたやろーが!
この狭い机の上でどうやって無くすわけよ!?」
「知らん・・・でも急になくなってん」
「もうええ!次女の鉛筆借りて早く続きやりなさい!!」
「は~い・・・」
気の抜けた返事と共に再び動き始める長女。
その間に鉛筆が長女の足元に落ちていないか確認するも見当たらない。カバンの中も机の中も探したけれど見つからないのにまだまだ探す気ですか?それより僕と踊りませ・・・・違う、あちこち探したけど結局鉛筆は見つからず。
諦めてもう一度長女の後ろに座った。
刺さってた。
鉛筆が刺さってた。
長女の後頭部に。
黙ってiPhoneを構えた。
震える手を抑えながら何度も何度もシャッターを切った。
周りの児童にガン見された。
気にせず撮り続けた。
長女に見せた。
二人で爆笑した。
先生にガン見された。
結局時間内に終わらなかった・・・・il||li _| ̄|○ il||l