パンダ組の日常

~だんご三兄妹をめぐるカオスな日常~

泣いたバカ鬼

なんだか最近子供のことを叱ってばっかりな気がする

 

そもそも褒めて伸ばせるほどに懐が深いはずもなく、じっくり話を聴いてやれるほどに心の余裕がある訳でもない

 

そんな人間が子供をなんとか一人前に育て上げようとするわけだから、二言目には「この野郎バカ野郎!!」の世界になるわけだ

 

まさに鬼軍曹

 

 

伸ばすんじゃなくて踏みつけてるんだろうなって思う

 

もはや踏まれた雑草って将来グングン伸びるんだぜ?とかいう都市伝説まがいの迷信にすがるしかない

それくらい怒りまくってる

 

 

うちの子たちって正直、運動も勉強もとりたてて光るところがない

少なくとも現時点ではどう贔屓目に見てもそうとしか言いようがない

時々周りの親御さんで「ものすごく頭がいいですよね」って言ってくれる奇特な人がいるみたいだけど、実際のところまったくできてない

学校の宿題にせよ公文にせよ、集中力がないからかケアレスミスの連発

サッカー(長男のみ)も空手もスイミングも周りにどんどん追い抜かされていってる

 

それでもうちの子達には焦りなどという概念自体がない

 

分からないところや出来ないことをそのまま置いといても何とも思わないみたいで、ある時親の方で全く理解してないことに気付いて大慌てで復讐する、なんてことが日常茶飯事だ

 

もはや誤字を直す気にもならない

 

 

 

うちの子達には共通する特徴がある

全然できてないくせに、もう習い事やめていいぞ?って言っても絶対に「やめる」って言わないのだ

こっちだって別にキレて「もうやめろ!!」って怒鳴ってるわけじゃない

比較的ジェントリーに耳元で囁いてやってるのに、それでも「やめたい」とは言わないのだ

 

父母としては最初にバーッと習い事を経験させてみて、親から見て芽が出そうだったり子供たちが目の色変えて楽しんでそうなものだけに絞り込んでいく、という戦略だったのに

 

気付いたらやめられない習い事だけが増えていく・・・・・時間とお金のムダだ

 

 

 

さて、先日(とは言っても緊急事態宣言前だから一か月以上前の話だけど)

 

いつもみたいに週末を潰して、家族総出で長男のサッカーの試合に行ったんだけど

あまりにも不甲斐ない内容に、またしても父の怒りが爆発した

 

帰って晩御飯を食べてる時、酒の力も相まって昼間のサッカーの内容に突如不満をぶちまけ始める父

横で大して興味無さそうにハイハイと相槌を打ちながら飯を頬張る長男

そしていつも通りの決め台詞

 

「おい長男、そんなにやる気ないんだったらもうサッカーやめていいんやぞ?」

 

なぜかその日、いつもなら頑なに首を振る長男が、少し思案した後にサラッと言い放ったのだ

 

「ほんなら・・・もうやめるわ」

 

 

 

何を言ってるのかすぐには理解できなくて、思わず長男の顔を二度見してしまった

 

「えっ・・・・・おま・・・・本気で言うてんの?」

 

「うん、もうやめるわ」

 

清々したようにサラリと言い放つ長男

 

 

その時結構お酒入ってたからね、私

カッと頭に血が上っちゃって

 

やりたいって言うから週に三回もサッカーの送り迎えして、貴重な日曜日をほとんど毎週練習試合で潰して、しかも長女や次女まで試合に付き合わせて家族総出で応援してんのに・・・

なんだよそのサラッと感は

やっぱりそんな程度の気持ちかよ

 

 

怒りのボルテージが瞬時にマックスに達した父

 

 

 

 

あろうことか泣いてしまいました

 

しかもポロリと大粒の涙をこぼすとかいうレベルじゃなくて

 

もう号泣

 

日ごろの鬱憤やら歯痒さやら何にぶつけたらいいのかわからない悔しさやらなんやらかんやらが入り混じった結果、家族全員が一瞬にしてドン引きするくらいに嗚咽してしまったのだ

 

 いやぁ・・・酒の力って恐ろしいもんだね

 

 

涙と鼻水と米粒でグチャグチャになった顔をさらに歪めて泣く父

あまりにも思いがけない展開にキョドる長男

そんな父に対して必要以上のディスタンスを取り始める長女、次女、そして嫁

 

この一幕を静止画で切り取ったならば、その題名は間違いなく「ないた馬鹿おに」

これ一択

 

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泣くっていう行為は気持ちがいい

どこか登山に似ている

気持ちがこう、頂上に向かってグワーッと盛り上がっていく快感

もうどうにでもなれって感じ

 

だけど登山って、一度登ったら下りてこないといけないんだよね

下りるにしたがってだんだん気持ちが冷静になってくるよね

そして大体六合目くらいまで下りてきたら必ず思うよね

 

 

 

・・・・・やっちゃった

 

 

六合目以降の下りはもはやこの事態をどうやって収束させるか、その一点のみを考えながら時間を稼ぐ、いわゆるウソ泣きに近い状態になる

 

 

今回の場合もそう

下りの六合目あたりでやっちゃった感がハンパなくなったから、とにかくどうやって子供達のリスペクトを取り戻すか、どうやって普段の鬼軍曹としての地位を再確立するか、その点だけを考えながら時間を稼いだ

 

だけどやっぱりいい案が浮かばなかったから、イチかバチかこう言ってみた

 

 

 

 

 

な~~~んつってね(笑)

 

 

 

 

 

 

ディスタンスは戻らなかった

 

 

 

 

 

深く反省した

子供達が習い事をやめにくくなるような素地を作ってどうするって

やめることは必ずしも悪いことじゃないって教えてやらないといけない立場なのにな

 

ま、こっちだって発展途上なんだから仕方がない

 

 

だけど、これからはもっと子供達の良い面を見出して伸ばしていきたいなって思った

 

 

例えば長男@小学三年生

幼稚園の頃から本の虫だ

そこに本さえあればジャンルを問わず、何時間でも夢中で読み続ける

友達の家に遊びに行っても、その家に置いてある本を読みながら遊んでるらしい

しかも読むスピードが速く、一回読んだらほとんど内容を覚えている

家にある図鑑の内容も大体頭に入ってるから、外で変わった昆虫なんかを見つけた時にその知識を披露することがある

そんな姿を見てよそ様が「頭のいいお子さんですね」ってなったんだろう

読書が好きってのは走るのが速いのと同じで、教えてどうこうできることじゃない

だからこれって物凄い武器なんじゃないかと思ったりもする

 

続いて長女@小学二年生

兄の後を追うように本好きが高じてきた

一心不乱に活字を追う姿に兄妹の血の繋がりを感じる

そして何よりも優しい

特に末っ子である次女に対する母性が甚だしい

この前も長女と次女が無茶苦茶ケンカしながら離れて道を歩いてたんだけど、長女の背後で次女が石ころにつまづいて転んだ気配がした瞬間、持ってたカバンやら何やらを放り投げてすぐさま次女を助け起こし、「大丈夫!?痛いとこない???」だってさ

とにかく長女は愛に満ち溢れている

この優しさを伸ばしてやりたい

 

最後に次女@幼稚園年長

最近ようやく全ての文字を理解するようになったため、すでに本好きの片鱗を見せ始めている

読書に関しては特に心配無さそう

それとは別に、子供達三人の中では最も根性がありそうな気がする

三人そろって昨年夏頃にスイミングを始めたのだが、まだ少し怖いようでどうしてもヘルパーを外した飛び込みができない

いつも二階の保護者席から窓ガラスにへばりついて見てるのだが、飛び込みになるとベソをかいてしまう姿に胸が押し潰されそうになったもんだ

そして迎えた試験当日

行きの車中で何度も何度も「大丈夫だから!目をつぶって飛べ!飛んだらオロナミンC飲ましてやるから!」って檄を飛ばし続けた

全然期待してなかったけど、いざ目の当たりにするとこっちが緊張する

飛び込みの前にチラリとこちらを見上げる次女、顔がコチコチになってる

ついに彼女の番が来た

手を叩いて「おいでおいで」してる先生のところまで飛び込まないといけない

飛ぼうとしてはためらい、また飛ぼうとしては腰が引け・・・

やっぱダメだなこりゃ、ってあきらめかけた瞬間、四度目のチャレンジにして豪快に飛び込んだのだ

思わず窓ガラスをたたいてガッツポーズの父

飛び込んだ後、満面の笑みでこちらを見上げる次女

 

当時4歳にしてはこちらの期待の上を行く肝っ玉だ

もちろんできる子は始めからできるんだろうけどね

でもできないのにやり切った次女はエライ

きっとこの子は根性あるわ

そこんとこをもっと伸ばしていこう

 

 

 

そう言えばこの時も泣いちゃったんだよな・・・・オレ

 

 

 

将来の子供達に伝えておきたい

 

 

 

大人の方が子供より泣き虫なんだぜ

 

 

 

 

子育てってきっとそんなもんだ