パンダ組の日常

~だんご三兄妹をめぐるカオスな日常~

ついに水泳を習い始めた

遅ればせながら水泳を始めてみた。

兄妹三人同時に。

まずは体験教室を受けさせたのだが、長女@小1と次女@年中がギャン泣き。

長男@小2は楽しそうにレッスンを受けていたが、時折先生の指示を待たずに水に入ったりと注意力散漫。

とにかく不安要素しかない体験教室となってしまった。

 

長男には先生の言うことをよく聞くように、長女には泣かないように、次女には泣いてもいいけど逃げ出さないで最後までやりきるように何度も諭した上で、その場で正式に入会を決めた。

 

 

そして先日。

記念すべき第一回目のプール教室に行ってきた。

相応の覚悟を持って。

 

初日から遅刻寸前となってしまったため、教室に着いたらその場で三人の衣服をはぎ取って水泳帽とヘルパーをつけ、そのまま一言も交わすことなく先生に託す形に。

不安そうな子供達の姿がプールの入り口から消えるや否や、嫁さんと一緒に猛ダッシュで二階に駆け上がってガラス越しに子供達を見守った。

 

 

三人並んで準備運動、その後シャワーを浴びていよいよプールへ。

 

 

長男は堂々としたもの。

少しも臆することなく、そして勝手な行動を取ることもなくレッスン(といってもお遊びみたいなもの)を楽しんでいた。

 

長女はというと、さすがは小学校一年生。

見学で泣いてしまったのが嘘みたいに、少し緊張した面持ちで先生の指示通りバタ足をしたり水に顔をつけたり。

ものの10分程度で完全にその場の空気に慣れてしまったのか、時折笑顔を見せる余裕もあり。

 

 

さて、問題の次女。

案の定、水に入る前のプールサイドに座って足をバタバタさせる段階で顔をクシャクシャにして泣いてしまった。

 

「ああ、やっぱダメか」

嫁さんと顔を見合わせる。

こりゃしばらく時間がかかりそうだ。

下手するともう行きたくないとかゴネだすかもしれない。

 

なんとも言いようのない重苦しい気持ちで娘がむせび泣く姿を見守った。

 

プールに入るのをイヤイヤするため、先生が抱っこして水に慣らしてくれた。

水中に沈めた赤いテーブル(みたいな足台)の上を先生に抱っこされたまま歩いてグルグル回る。

体験授業の時と同じ展開だ。

 

だけどその後が違った。

 

最後まで逃げずにやりきるよう約束したことを覚えていたからかどうなのか、泣きながらもすぐに自分の足で歩き始めたのだ。

テーブルの上を一周回るとプールサイドに座る。

また自分の順番が来たら水に入り、一周回ると座る。

この繰り返し。

その間ずっと泣いているのだが、順番がくると泣きながら自分で水に入る。

先生に無理矢理入れられるのではなく、自分から。

全然逃げてない。

親バカだけどその姿に痛く感動した。

意外と根性があったみたい。

 

 

もう一つ嬉しかったこと。

それは長男と長女が垣間見せてくれた優しさ。

二人ともピタリと次女に寄り添い、頭を撫でたり次女が追い付いてくるのを待ってあげたり。

特に長女なんて自分も怖かろうに、そんなことそっちのけで次女の世話を焼いていた。

きっと事前に私が「次、お前は泣かないこと。お前が泣いたら次女が余計に怖がるから」って言ったことを健気に守っていたんだろう。

 

 

そんな三人の姿に神サマがプレゼントをくれたのだろうか。

1時間の授業の内半分が過ぎた頃。

ふと気付くと次女が泣かずに一人で水の中を歩いていた。

少し怖い場所では立ち止まって先生の介助を待つというクレバーさは見せつつも、泣かずに指示通りの動きができるようになっていた。

長期戦を覚悟していた私達にとってはまさかの展開だ。

 

そして最後の10分。

恐怖を克服したのが自分でもわかったのだろう、次女の口元には笑みが浮かんでいた。

プールサイドを歩く足取りが明らかに軽くなっていた。

 

 

 

記念すべき初授業を終えて更衣室に戻って来た子供達。

皆、わかりやすいくらい成長した表情を見せてくれた。

自信に満ち溢れた表情。

 

帰りの車の中で三人から何度も何度も同じ話を聞かされた。

泣かなかったことや先生の言う通りにできたこと、最初は少し怖かったけど最後は全然だったこと、次もまた頑張れるってこと。

 

 

親にとっては出来過ぎた話だけど。

 

少しビビりな我が子達がたった一回でプールに馴染んでくれるなんて、本当に嬉しい誤算だった。

 

 

ありがとう、神サマ。

 

 

プールから帰ってきた時の子供たちの表情、一生忘れません。