パンダ組の日常

~だんご三兄妹をめぐるカオスな日常~

長女は正義感が強い

昨日は長男@二年生のサッカーの練習試合だったんです

相手は1チーム、こちらも1チームだから休憩無し

朝9時に遠方のグランドに集合してから3時間ぶっ続けで試合

もうヘトヘトですわ、プレイしてる子供も応援してる親も

 

 

結果はぼろ負け

小学二年生とは思えない強烈なシュートを打ってくるんです

ま、いい勉強になったんじゃないでしょうか

世の中、自分たちより強いヤツなんて腐るほどいるもんです

少しでも早くに気付いた方がよろしい

 

 

さて、その強い相手チームの中に一人、上手いんだけど結構なラフプレーをする子がいたらしくて

みんなその子に散々蹴られたり押し倒されたり、はたまたこちらが少しでも接触すると激しくナジッてきたりと

試合が終わってからも、長男のチームメイトはみんな背番号21の彼を目の敵にしてたらしいんです

そんなことちっとも知らなかったんですけどね、父は

 

 

そして今朝

朝飯を食べながら不意に昨日の悔しさが甦ってきた長男

誰に言うともなく、21番のプレーがいかに酷いものであったかをつらつらと語り始めたのです

 

 

黙って耳を傾けるパンダ組一同

 

 

その静寂を破り、自称「瞬間湯沸かし器」の父が大声で叫びます

 

 

「おい長男オマエなに情けないこと言うとるんじゃぁ!!なんのために空手習ってるとおもうてんねん!!ラフプレーにはラフプレーやろがっ!!!ボール蹴るフリしてフトモモ蹴ったらんかい!!膝上の急所のとこじゃ!あそこ蹴り飛ばしたったらしばらく立ち上がれんでグヘヘヘヘ・・・・・・」

 

 

 

もうね、親として最底辺を蠢いてるんですよ私は

誰になんて思われても結構結構

 

 

しかしその時・・・・・・・

 

 

長女@一年生が虫けらでも見るような目つきで唇を歪め、この父に意見してきたんです

 

 

「おとう!違うやろ!!!」

 

 

あっヤベ・・・・・コイツの正義感、人一倍だからな

 

実は長女って正義感がものすごく強いんです

今までも行き過ぎた父の言動を何度も何度も諌めてくれました

 

 

誰に何と思われようと屁でもないが、愛娘に蔑まれるのは心苦しい

 

 

甘んじて娘の説教を受け入れようと、うなだれながら長女の方に向き直りました

 

 

 

 

「おとう!違うやろ!!!

 

 

 

 

 

 

金玉じゃぁぁぁああ!!!!」

 

 

 

 

 

長女のモラルを家族愛が凌駕した瞬間

 

 

その瞬間に立ち会えて、父は幸せです

 

せっかち自慢

よくせっかちだと言われる。

人の倍速で生きてる、なんて。

 

確かに物心ついた頃から早口だし動作も早い。

私がいかほどせっかちな人間であるか、実例をあげてご紹介しよう。

 

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学生の頃から超早歩き。

私を背後から抜き去る歩行者に出会った記憶はほとんどない。

 

 

嫁さんが助手席のドアを閉める前に車を発進させる。

何度か轢き殺しそうになった。

 

 

トイレのドアを開ける前にズボンのチャックを下ろしている。

自宅なら問題ないけど、外でもやってしまうから結構あぶない。

 

 

朝起きてから出勤するまでの時間。

ご飯さえ用意されていれば10分前起床でも全然余裕。

 

 

人と比べて食べるペースが滅法早い。

一度「二郎系ラーメン」とやらに嫁さんと二人でトライしたことがある。

目の前にこんもり盛られた器をドンと置かれ、二人で顔を見合わせて「コレ食べきれるかな~」なんて乳繰り合っていたのも束の間、結局カウンター席の他のどの客よりも早く完食し、ついでに嫁さんのラーメンまで食べてしまった。

 

 

風呂が早い。

夏場のシャワー浴なら全身洗っても5分あれば十分。

逆にシャワー浴に10分以上かけてる人って一体どこをどんだけ洗ってるのか是非とも教えて頂きたい。

ちなみにキャンプ場で4分/200円のシャワールームを使用した際、4分間で家族全員(大人2名子供3名)イケる、と豪語した私に嫁さんが真剣にキレたことがある。

 

 

写真を撮るのが苦手。

シャッターが落ちきる前に手を下ろすからブレブレ。

 

 

名前を呼ばれてから振り向くまでの動作が異常に速い。

ついたあだ名が「プレーリードッグ」。

 

 

むっちゃ早口。

初対面の人に「今、英語でしゃべりました?」って真顔で聞かれたことがある。

 

 

私がエレベーターの開閉ボタンを操作すると、かなりの確率で嫁さんがドアに挟まれる。

 

 

USBメモリーはいきなりパソコンから引き抜く派。

右クリックで安全に取り外しができます、なんてまどろっこしくて無理。

 

 

洗濯器とか炊飯器の「残り時間1分」が待てない。

強制終了するたびに嫁さんに白い目で見られる。

 

 

 

 

 

 

 

 

人生の後半はスローライフを意識してみようと思う。

 

 

地球は多分怒ってる、と思う

癌という病気は恐ろしいものです

 

ある瞬間、何らかの原因で偶然生まれた一個の癌細胞

コイツがジワジワと数を増やしながら大きくなっていくのです

 

成長するには豊富な栄養が必要

だからヤツらは既存の血管につながる新しい血管を作って、己に流れ込む血液の量を増やします

「血管新生」です

 

やがて癌細胞はリンパや血液の流れに乗って散らばります

そして行き着いた先でまた、新しい血管を作っては仲間を増やします

これがいわゆる「リンパ節転移・遠隔転移」です

 

全身に散らばって育った癌細胞によってその生命体は機能不全に陥り、最終的に死に至るのです

 

 

 

 

あれ?

 

これって何かに似てませんかね??

 

 

 

・・・・・・人間だ

これってまるっきり人間のことだわ

 

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何万年も前に人類の祖先が誕生し、やがて大きな河の傍で文明を築く

河から貴重な水を己の生活圏内に引っ張り込み、その水を利用しながら産業を発展させ徐々に人口を増やしていく

その過程において用水路や道路を網の目のように張り巡らせ、より豊かで便利な生活を実現する

癌細胞における血管新生の如し

 

これによって人口は爆発的に増え、既存のスペースではどうにも手狭になってくる

少ないパイを奪い合う絶え間ない小競り合い

そこで少数の勇敢な開拓者達が新天地を目指して旅立つのだ

道半ばで倒れる者もいれば、偶然条件の良い地を見つける者もいる

そして運良く見つかった新天地で、人は再び増殖を始める

水路を確保して道路を整備して

有害物質をまき散らしながら

 

ハイ、遠隔転移の完成

 

 

地球上に住むその他すべての生物から見た現在の人間様の位置付け、それはまさに地球という生命体に巣食う癌細胞以外の何物でもなさそう

 

そう感じるのは私だけですか?

 

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ここ数年、台風の季節が来るたびにニュースキャスターが同じことを叫び続けてる気がするんだけど

 

今年の台風は例年に比べ大型化の傾向です

今年は台風発生のペースが異常に早い模様です

今回の台風には最大級の警戒が必要です

 

 

不思議なのはこれだけ明らかに異常気象が続いてるのに、国のお偉いさんは誰ひとりはっきりと「原因は我々人間です」って言わないこと

例え言ったとしてもウヤムヤにかき消されてしまうこと

 

普通に明らかでしょ、誰の目にも

今どきの夏の暑さが異常なことくらい、ほんの少しだけ昔の夏を知ってる人間からしたら一目瞭然でしょ

地球の気温は昔から変動を繰り返してるとかいう人もいるけど、どう考えたって自然のサイクルから逸脱してるでしょ

歪んでるんだよ、地球規模で

そして多分、それは人間様の仕業

 

 

新型コロナウィルスに対してはこんなに躍起になって莫大な予算を計上してナリフリ構わず取り組むのに、差し迫った地球規模の異常に対してはあまりにも呑気すぎる対応

そろそろ真剣に考えるタイミングじゃないの?

 

 

べつに私はエコやら環境問題に超積極的、という人間ではないんだけど

でも子供ができてからはちょっとだけ考えが変わった

この子らのためになんとか地球と共存できる方法を考えねば

人間が地球にとっての癌細胞であってはならない

自然が本気になったら人間様なんてあっという間に駆除されてしまうに決まってる

怒らせる前に気付かなくては

 

 

 

 

 

私は今後、可能な限りおならを我慢してメタンガスの軽減に努めようと思う

 

自分ができることからコツコツと、だ

 

 

 

 

 

 

今回の台風の被害が最小限でありますように

 

 

 

 

 

最後に

今日みたいにネガティブなことを書き連ねた記事をいくつか

 

 

pandamonda.hatenablog.com

 

 

pandamonda.hatenablog.com

 

 

pandamonda.hatenablog.com

 

ローランドにだって負けちゃいねえ

ROLANDは言ったという

 

「俺が下を向くのは出勤前に靴を履くときだけさ」

「さあみんな上を見よう、俯いていたらROLANDは見つけられない」

 

 

ずっこいぞ・・・・・カッコよすぎるぢゃないか

 

 

鼻血が出た時くらいしか上を向くことがない私にあなたの爪の垢でも頂けませんか

 

即オークションに出すから

 

 

 

 

彼は他にも多くの名言を残している

その内の一つ

 

女性から

「どうやったらローランド様を落とせるんですか?どうしても付き合いたいです!」

との質問を受けて返した言葉

 

 

 

「悪いが俺は落ちるのがどうも嫌いでね

 君が俺の所まで上がって来たらどう?

 

 どうせなら上で会おうよ」

 

 

 

これは秀逸

男でも惚れてまうやろ

 

 

他にもいろいろある

 

「女性は水とパンとローランドがあれば生きていける」

 

「シャワーを浴びるときはオーラから洗う」

 

「鏡とジャンケンしても勝つ」

 

(前澤さんが月に行くけどスケールで負けてませんか?という質問に対して)

「月に自分が出向こうとしてる時点で月に負けてない?

 俺様クラスになると逆に月を来日させる方向で考えてるからね」

 

 

 

 

 

ちょっと待って

 

これくらいなら我が家でも日常的に飛び出してるんですけど

なんならウチも名言集作って出版できるんじゃない?

 

 

さっそくいくつか紹介してみよう

 

 

 

 

 

「卵かけご飯は食べ物じゃない、飲み物だ」(父)

 

 

 

 

(大を我慢してる父と子が一つしかないトイレを奪い合ってる時に)

「父さんおしっこよりウンコの方が早いから!!」(父)

 

 

 

 

「紫局部」(父)

紫式部春日局がコンフューズ)

 

 

 

 

 

「よしっ、あたしキレイらしいわ」(次女)

(空気清浄器の前で、ランプの色が変わらないのを確認しつつ)

 

 

 

 

(欲しい本あるか?との質問に)

「秘密の刃!」(長女)

 鬼滅の刃って言いたかったらしい

 

 

 

 

「私、炊飯器卒業します」(嫁)

(メスティン(飯盒炊飯みたいなやつ)を使って米を炊く方が簡単で衛生的だと気付いた時の嫁さんの言葉)

 

 

 

 

(サプライズでハンモックを買っておいた父が「今度のキャンプ、あったら嬉しくなるモノ用意しといたで、何と思う??」と質問したところ)

「・・・・・夕焼け」(次女)

 

 

 

 

(ドライブ中、アルファベットを読めるようになった長男が「SUBARU」の看板を見て得意気に放った言葉)

「あっ・・・・・スベルや!!」(長男)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上、パンダ組迷言集からの一部抜粋でした

少年老い易く

夜中に目が覚めてボーっと考えた

長男は今8歳、長女は6歳で次女は4歳

 

ということは、だ

初めて子供が生まれてからもう8年が過ぎ去った、ということだ

 

 

神さま、少しばかり早すぎやしませんか?時間の流れが・・・

 

 

この8年が一瞬で過ぎ去ったということは、次の8年も一瞬で過ぎ去るということだ

いや、下手したらもっと早いかもしれない

 

 

次8年経ったら・・・・16歳と14歳と12歳!?

長男なんて私よりデカくなってるかもよ

 

 

その次8年経ったら・・・・・24歳と22歳と20歳!?!?

社会的にはもう大人じゃん

 

 

 

これはおかしい

少し早すぎる

 

だって考えてもみて欲しい

我々が子供だった頃、八つ歳をとるには膨大な時間がかかったはずだ

なのになぜ我が子の時間だけこんなに早く過ぎ去ってしまう?

 

 

神さま、少しばかりチョロまかしてやしませんか??子供の時間・・・

 

 

昔、縁日でヒヨコが売られてたのを見たことがある

あまりの可愛さに思わず財布へ手を伸ばしかけたところ、一人の男性が大声で

「ヒヨコはいずれニワトリになるんやで~~」

と叫んだのを聞いてハッと我に返った

 

なんかそんな情景をふと思い出してしまった

 

 

 

子供がいずれ大人になるなんてこと、十分わかってたつもりだけど

だけどこのスピードはちょっと想定外

ココロがアタマに追い付かない

 

 

でも最近になって、子供たちがもう昔のようなただ”あどけない”だけの幼子ではなくなってきたんだということをヒシヒシと感じている

 

昔は少し大きな声で怒られただけでシュンとなってた

けど今は違う

一丁前にこちらを睨み返して反論してくる

もしくは謝り方がふてぶてしい

 

これが正常な成長過程なんだってわかってはいるけど、どこかで育て方を間違えたかななんて思ってしまう時もある

 

ちなみに育て方を間違えてるかもしれないことは十分わかってるつもり

だって巷でよく目にする「子育て指南書」的な本に書かれてる内容、チラ見しただけで絶望だから

大声で怒鳴り散らしたりすぐによその子と比べてしまったり否定的な発言が多かったり急げ急げとせかしまくったり

 

だから私は子育て本を読まない

読んで反省して感化されてよーしヤルぞーって思っても私の場合、結局変わらないのがわかってるから

変われるもんならとっくの昔に変わってるって

 

いろんな子育て本が出てるけど、子育てにおける私の座右の銘はコレ一択

 

「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」

 

ありがとう、丸大食品

 

 

さらに願わくば、思いやりのある優しい人間になってくれ

 

あとは特に・・・・なんもないな

 

やりたいことは自分たちで見つけていってくれ

そのために何をすべきか、それも自分たちで考えてくれ

例え失敗しても多少の遠回りが許される程度の支援は親の役目と心得てるから

 

 

父が先輩として言えるのは、実は人生ってとんでもなく短いんじゃねーのってわりと歳をとってから気付いてしまっても遅いんだぞってことくらいだ

 

 

少年が老いやすいってことを子供に自然と理解させることができる教育本、もしそんな本があれば購入してみようと思います

 


丸大食品CMわんぱく.wmv

 

 

 

 

この傷跡はきっと一生消えない

今週のお題「怖い話」

 

 

突然長男の友達が家に泊まりに来ることになった

彼の兄を連れて二人で

ホントに突然

今日のお昼に決まったもんね

 

実は私、お泊りとかこの歳になってもときめくタイプ

賑やかなの大好き

えぇ~~急に~~~~、とか眉をしかめるお父さんもいるだろうけど

私全然OK

 

どうせメンドクサイこと色々やるのは嫁さんだしね

私はドカッと座ってビール飲んでるだけ

 

 

ウソ

こう見えて意外と進んでお手伝いとかするタイプ

 

実は今日お泊りする少年、一週間前にも我が家に来たからタコ焼きパーティーとかしたんだけど

その時も私、率先してひたすら焼きまくったもんねタコ焼き

 

 

・・・・・そしたらエゲつないほど指をやけどしました

 

 

その後、完全に戦意喪失してすべてを嫁に投げ出してやったわ

 

そしたら完全に疲れ果ててたね、嫁

 

ようやく私のありがたみがわかったかってんだよ、まったく

 

 

翌日、朝起きたらやけどしたお姉さん指がエグイことになってた

お姉さんだけに「ご懐妊」されてた

 

こんな感じ↓↓(軽く自主規制入れてます)

 

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別角度からもう一枚

 

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朝起きてきた長女

コレを見て言いました

 

「缶詰のミカン?」

 

 

続いて寝惚けた次女が起きてきました

コレを見て言いました

 

セミガラ?」

セミの抜け殻の略

 

 

うん、みんな正解

 

 

 

しばらくこの水ぶくれを見てたらなんか愛着が湧いてきたんだ

だからこの子を大切に育てていこうって心に誓いました

 

 

次女を抱っこした瞬間破れました

間違い、破水しました

 

 

たった一日の命でした

 

 

 

破れた後の傷跡はホラーすぎるのでやめときます

 

 

怖い話ってことでつながりましたね

 

 

 

 

 

 さてと

 

そろそろ子供たちと遊んできます

もしもあなたの近くにアトピーで苦しんでいる人がいたら

以前このブログで書いたことがある。

アトピーのこと。

 

私の身内には成人発症のアトピー性皮膚炎でかなりの期間、QOL(Quality of Life:生活の質)が落ちていた人間がいる。

かれこれ20年以上、家族ぐるみでこの病気と闘ってきた。

それなりの我慢も強いられたし、神サマに平等に与えられているはずの機会も損失してきた。

命に直結しないというだけで、長い人生のスパンで見るとかなり厄介な疾患であることは間違いない。

 

 

そんな憎きアトピーではあるが、最近我が家において大きな転換点と言えるイベントがあった。

同じ病気で苦しんでいる方の一助にでもなればという思いで今回、ここに記録しておこうと思う。

もちろん私は皮膚科医では無いため、書いていることに多少の間違いや専門家から見たニュアンスの違いがあることはご容赦頂きたい。

素人が素人なりに理解した現在のアトピー治療、という程度で流し読みしてもらえれば。

 

 

だけど今回はいたって真面目。

目次まで作る気合の入り方。

アトピーと縁の無い方には全く面白くない長文なので、思いっきりスルーしてください。

 

 

 

目次

 

 

 

ステロイド外用薬とは

アトピー性皮膚炎の治療の柱はご存知ステロイド外用薬」である。

湿疹がでたときなどに病院でよく処方されるやつ。

リンデロンVGとか、大体のご家庭に一本くらい常備されているのではなかろうか。

 

ステロイド(詳しくは糖質コルチコイド)とは体内の副腎と呼ばれる臓器で生成される「副腎皮質ホルモン」のことであり、それを人工的に作って外用に加工したものが「ステロイド外用薬」である。

ステロイドは様々な作用を有するホルモンであるが、中でもその「抗炎症作用(炎症を抑える働き)」を期待して皮膚炎に投与されている。

 

しかし一言でステロイド外用薬とはいっても、その種類は多岐にわたる。

なぜたくさんの種類があるのかというと、ステロイド外用薬はその抗炎症作用の強さによって五段階のグレードにわけられているからだ。

 

具体的には以下の通り。

 

・ストロンゲスト(最強)

・ベリーストロング(かなり強力)

・ストロング(強力)

・マイルド(中等度)

・ウィーク(弱い)

 

ちなみにリンデロンVGでストロング程度。

この五段階の中に各製薬会社が色んな製品を送り込んでいるため、実にややこしいことこの上ない。

私のような皮膚科でない医者は、どの外用薬がどのグレードだったか一向に覚えられずに何度も薬の本をめくり返す羽目になるのだ。

 

 

アトピー性皮膚炎とステロイド外用薬

繰り返しになるが、アトピー性皮膚炎治療の柱となるのがこのステロイド外用薬である。

それなら何も考えずに最強ステロイドをガンガン使いまくればいいじゃん、とお思いになるかもしれない。

しかしステロイドは魔法の薬ではない。

強い外用薬を使い続けると、皮膚そのものに萎縮や色素沈着などの局所的な副作用が出るだけでなく、皮膚から体内に吸収されることで副腎機能低下などを引き起こすことがある。

頑張ってステロイドを合成しなくても、外から勝手にステロイドが入ってくるために副腎がサボって自前のホルモンを作らなくなるというわけだ。

 

副腎ホルモンは人体にとって無くてはならないホルモンであるため、副腎が機能低下に陥るとシャレにならない事態となる。

というわけでアトピー性皮膚炎に関わらず、ステロイド外用薬は自己判断で適当に塗ってよい代物ではなく、医師の診察を受けて然るべきグレードのものを然るべき期間継続する、という使い方が大原則の薬なのだ。

 

 

リアクティブ療法とプロアクティブ療法

さて、従来のアトピー治療はいわゆる「リアクティブ療法」とよばれるもの。

一言で言うならば、「悪くなった時」に対応する治療法である。

 

普段は基本的に保湿剤のみ、皮膚の状態が悪化した時だけ一時的にステロイド、改善すればすぐに保湿剤に戻す、という流れだ。

 

しかしアトピーという病気は良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴。

軽症のアトピーであればこの治療法で上手くいくだろうが、中等症~重症の場合、この方法ではどうしてもイタチごっこの様相を呈してしまい、結局ダラダラとステロイドを塗り続けてしまうなどコントロールが上手くいかないケースが多かったようだ。

ちなみにウチもおそらくこのケース。

 

そこで最近(と言っても実は何年も前から)になって注目され始めたのがプロアクティブ療法」と呼ばれる治療法である。

リアクティブ療法が悪くなることを前提とした治療法であるのに対し、プロアクティブ療法は悪くならないように前もってアトピーをコントロールしましょう、という治療法。

そもそもの前提が全く違う。

そのため、プロアクティブ療法ではステロイド外用薬を完全にoffするのではなく、症状のない時も基本的に週に1、2回は外用を継続する場合が多い(状態が良ければ最終的にoffすることもあるらしいが)。

皮膚に炎症がない状態をキープし続けるのがプロアクティブ療法の目的だ。

 

 

プロアクティブ療法の骨子(我が家が受診した病院の場合)

①皮疹の程度に関わらず、まずは強いステロイドをドカンと使う(1日に2回全身塗布)ことで炎症がゼロの状態に皮膚をリセットする(約2週間):初期寛解導入

②炎症が完全に鎮火されたのを確認し、強いステロイドの全身塗布を1日1回に減らす(約4週間)

③皮疹の無い状態がキープできていれば、ステロイドの全身塗布を隔日に減らす(約4週間)

④再燃が無ければ、ステロイドの全身塗布を1週間に1、2回に減らす

 

 

 一見するとグレードの高いステロイドを皮疹の程度に関わらず使うなんて・・・なんてオソロシイ、と考えてしまいそう。

しかしそれこそがこの治療法を成功に導くためのミソ。

まずは完全に炎症がゼロの状態にもっていかなければ、塗布回数を減らした時点で再燃してしまう確率が高い。

しかもパッと見では皮疹の無さそうな部位においても実は炎症が隠れている場合があるため、皮疹が出ていないところも含めての「全身塗布」がポイントなのだ。

 

さらに最近では、見た目の炎症だけではなく血液検査において炎症が燻っていないかを確認できるようになった。

「TARC」と呼ばれる指標である。

TARCはアトピーの重症度を反映するとともに、治療の効果判定の指標としても用いられる。

500~600pg/ml以下(施設による)が目標らしいが、重症患者ともなると1万を軽く超えるケースもあるらしい。

この値も参考にしつつ、皮膚炎が燻っていないかをチェックするというわけだ。

 

さて、この治療法を成功させるために①の火消し(初期寛解導入)を行った後は、皮膚の状態を見ながらゆっくりと塗布回数を減らしていく。

用いるステロイドの強度や減らすペースは、皮膚科医が患者の皮膚の状態を見ながら個々に判断していくのだろう。

そして最終的に、皮膚に炎症が無い状態でステロイドの外用は週に1回前後、といういわゆる寛解状態”をキープするのだという。

一見すると強いステロイドを大量に使っているように見えるが、実際には短期間集中して外用することで、ダラダラと塗り続けた場合よりも結果的に薬の総量は少なくなるらしい。

 

これが本当なら、長らくアトピーで苦しんできた患者にしてみれば間違いなく朗報である。

 

 

プロアクティブ療法を成功させるために必要なこと

素人目にこの療法の概要をザッと見て感じたこと。

この治療法を成功させるためにはいくつかのポイントがある。

それを列挙してみる。

 

ステロイドの副作用を恐れすぎない

もちろんステロイドには嫌な副作用もある。しかしそれはグレードの高いステロイドを長期間にわたってダラダラと使い続けた場合。

ステロイドの副作用がどのようなものか、どの程度使用するとどんな副作用が出るのか、そういった知識を正しく理解することで不安は解消される。

使うべき時には躊躇なく使う、この姿勢が重要。

 

②信頼できる医師をみつける

全ての医療機関で同様の治療を受けることができるほどプロアクティブ療法が浸透しているかというと、残念ながら「ノー」だろう。

重症アトピーに対しても、未だに民間療法まがいの治療が行われている場合もあるらしい。

そこでまずはネットや実際に治療を受けた人の話を聞いて、この治療法を積極的に取り入れている医療機関を探すところから始めなければならない。

そこで自分に合った信頼できる医師を見つけることができれば、あとはその先生と二人三脚で治療を継続するのみ。

決して途中で通院を中断したり、薬の量を自己流で減らしてみたりといったアレンジを加えてはいけない。

 

③一生付き合っていく

例えば治療を受けている高血圧の患者。

血圧が正常範囲内にあるのは薬を飲んでいるからであって、降圧薬をやめると血圧は再び高くなる。

逆に言うと、薬を飲み続けている限りは正常な人となんら変わりないわけだ。

 

アトピーもこれと一緒のこと。

ステロイドを始めとしたスキンケアは今後ずっと必要だけど、それさえ怠らなければ見かけ上はアトピーだとわからないレベルをキープすることが可能なのだ。

治すのではなく、炎症を抑えた状態で上手くコントロールしながら付き合っていくというイメージ。

 

 

 

最後に ~我が家の場合~

それでは最後に我が家のケースを簡単にご紹介。

 

良くなったり悪くなったりを繰り返して埒が明かない現状を無気力に受け入れていたのだが、私たちの居住地からやや離れた場所にアトピー治療のメッカと呼ばれる病院があるという噂を偶然入手した。

なぜか運命的なモノを感じた私は自ら紹介状を作成し(医者の特権)、すぐに予約を取って半ば強引に家人をその病院へ受診させたのだ。

 

紹介状には以前このブログでもご紹介した新しいアトピー治療の分子標的薬、デュピクセントの使用(アトピー性皮膚炎に新薬・・・デュピクセント - パンダ組の日常)も検討頂きたい旨まで記載したが、紹介状の返書には下記のような何とも頼もしい返事が記されていた。

 

 

返書の要旨はこんな感じ。

 

「成人発症型の重症アトピー性皮膚炎です。長期間ご苦労されたこと、容易に想像がつきます。が、適切な外用療法で状態は大きな改善を見込めるものと思われます。おそらく外用療法のみで長期的に寛解を維持できるタイプだと思われます。デュピクセントの使用は治療が上手くいかない時に改めて考慮しましょう。」

 

文面からは先生の絶対的な自信が窺えた。

きっと、もっともっと重症の患者さんを日々相手にされているのだろう。

なんだか光がパーッと差し込んできた気がした。

 

なお、紹介状の続きにはこう記されていた。

 

「集中した外用療法による初期寛解導入を兼ねた、アトピー教育のための2週間程度の入院を勧めさせていただきました。」

 

このチャンスを逃してはいけない、そう思っていた。

もし勧められたら絶対入院するように家人には伝えていたため、即入院日が決定した。

 

 

2週間の入院では強いステロイドヒルドイドと呼ばれる保湿剤で混合したものを全身(顔面はプロトピック)に塗る。

保湿と掻爬防止のため、上下肢にはやわらかいギプスみたいなものを装着する。

効果はほどなく現れ、大抵の人は2週間以内に湿疹が消失し、テカテカの状態で退院していくらしい。

赤ちゃんは特に皮膚のターンオーバーが速いため、掻きむしって血みどろの状態で入院してきても、退院する頃にはツルツルになっているんだとか。

 

家人の場合、たまたま皮膚の状態が良い時期だったこともあり、退院する頃には完全に皮疹が消失。

もともと足はさほど酷い状態では無かったが、さらに輪をかけてキレイになっていた。

こんな感じ↓↓

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足はそれほど酷くなかったんだけどね。

写真で出せるのがこれくらいしかなくて。

 

 

先ほど、入院のタイミングがちょうど皮疹の落ち着いている時期だったと書いた。

しかし恐ろしいことに、前述の「TARC」を入院前に測定してみたところ「7000pg/ml」というまずまずの高値が叩き出された。

一見皮膚の状態が良く見えても、実は陰で炎症が燻っていたということだ。

この数値が低くならない限り、ステロイドを減らすとアトピーはすぐに悪化してしまう。

 

 

さて、今回の教育入院。

見た目の皮疹は大きく改善したが、見えない炎症、すなわち「TARC」の値はどうなったか。

 

退院時の測定で、なんと150pg/ml程度まで低下していたのだ(この下がり方には個人差あり、ウチはかなり下がった方)。

 

恐るべしプロアクティブ療法。

 

いや、これはプロアクティブ療法そのものではなく、プロアクティブ療法を成功に導くための前段階、いわゆる「初期寛解導入」というプロセスであった。

ややこしいけど混同してはいけない。

 

 

プロアクティブ療法は退院後の今からが本番。

せっかく寛解導入で「いい状態の皮膚」を手に入れたのだから、今後はこれを維持できるように先生と二人三脚でアトピーと付き合っていかなければならない。

 

 

今回書けるのはここまで。

この状態をキープできるかどうか、それは今後おいおいわかってくるだろう。

 

だけど、私はこの治療法に可能性を感じる。

 

 

中等症以上のアトピーに我流で挑んでいる方、厳しい食事制限やステロイドを使用しない方法でなかなか思うような成果が出ていない方。

もしもあなたの周りにそんな方がおられたら、こういう治療法もあるんだよと教えてあげて欲しい。

選択肢の一つとして。

もちろんこの先何年も経てば「こんな治療法は非常識だ」なんていわれるかもしれない。

医療なんてそんなもの、昔の常識は今の非常識ってのが日常茶飯事の世界。

 

 

だけどやっぱり私はこの治療法に可能性を感じる。

 

高価な新薬に安易に飛びつくのではなく、昔からある治療薬を正しく理解して正しく使用するだけの治療法。

ただ、それだけなんだけど。

 

 

アトピーで苦しむ方、アトピーで人生を棒に振りそうな方。

そんな方が一人でも少なくなれば、と切に願う。

 

 

 

 

長文にお付き合い頂きましてありがとうございました<m(__)m>